アメリカでは低所得層ほど肥満が多いといわれるが、日本でも体形を見れば階層がわかる「体格格差社会」になりつつある。デブと下流の危険な相関関係を『下流社会』の著者が警告する。 上流と下流では、下流に属する人ほど太っている。身もフタもないことを言うようだが、まぎれもない事実である。 私は2年前、20歳から44歳の男性に、生活水準とBMI(体格指数)の関係について調査を行った(※)。 BMIとは、体重(キロ)÷身長(メートル)の二乗で求められる肥満度の指標で、25以上は太りすぎである。そしてその調査結果によると、生活水準が「上」であると答えた人のうちBMI25以上の人の割合は14.7%だったのに対し、生活水準が「下」の人では、27.2%がBMI25以上だったのである。 貧乏人はガリガリで、金持ちは太っているという図式は、もはや完全に過去のものとなった。いまや上流ほどスマートで、下流はデブというパ