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ブックマーク / note.kishidanami.com (4)

  • 魂をこめた料理と、命をけずる料理はちがう|岸田奈美|NamiKishida

    ラーメン屋の行列に並んでいた。 京都の自宅へ遊びにきた母が 「ラーメンべとうて、しゃあない」 と、眼をかっ広げて言うのである。 母はたまに、そういう猛烈な天啓が下る。 車いすなので、こぢんまりした店にはひとりでフラッと入れないからだ。 ならば、どうしてもべさせたいラーメンがある!京都の名店! 麺屋猪一! いつ来ても行列で、ミシュランにも載り、外国のお客でごった返してる。 おっ。 店近くの“離れ”なら、今日は20分ぐらいで入れそう。 天啓!!! というわけで、並んだ。 待ってる間に、メニュー表を見る。 「1400円!?!?!?!!」 ビビった。 2年前に初めてべたときは、900円。 昨年は、1000円だったのに。 つ、強気ィ! 原材料の高騰で値上げするのは、まあめずらしくもないけど、なかなかにウッとなる金額である。 観光で来た人、それも外国からなら、ぜんぜん出せるか。そっか。え〜〜〜

    魂をこめた料理と、命をけずる料理はちがう|岸田奈美|NamiKishida
    sugimo2
    sugimo2 2023/09/05
    “初めて思ったかもしれない。値上げしてくれて、ありがとうなと。がんばって仕事してさ、また通おうと思うよ”
  • 伊丹空港へ飛ぶはずが|岸田奈美|NamiKishida

    仕事で札幌へ行く用事ができたので、いま空港にいる。 京都からだと、伊丹空港までリムジンバスで一時間。関西空港までだと十五分ほど遠くなるし運賃も倍になるけど、こっちの方が航空チケットが安かったので、関西空港を選んだ。 空港までのリムジンバス乗り場は、京都駅の八条口にある。 八条口といっても、タクシーのロータリーから遠い位置にあるので、市街からタクシーで行く人は「八条口まで」じゃなくて「アバンティ前まで」って伝えた方がおすすめ!わたしみたいに時間ギリギリになって、息を切らして駆け抜けた道を振り返りたくなければな! 空港までの道のりをゆっくり歩けた記憶がないので、いつもどっかでキャリーバッグを死体のように引きずって走っている。心斎橋筋商店街の店先でチェーンに繋がれて投げ売りされてる安いやつだと一瞬でコロコロがお陀仏になったし、なにより空の状態でも重いので、わたしの持ち物のなかでもキャリーケースは

    伊丹空港へ飛ぶはずが|岸田奈美|NamiKishida
    sugimo2
    sugimo2 2021/10/12
    “国際線ではパスポートとチケットの本人確認が必須である会社が多いので防げるミスだが、国内線ではその確認がないので名前や行き先の間違いは、ごくたまに起こるらしい”
  • 小林賢太郎氏の解任と、わたしの責任(限定公開)|岸田奈美|NamiKishida

    ここには、7月22日15:29〜22:00まで、小林賢太郎氏の東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式のショーディレクター解任の一報を受けて、いちファンとして、過去にnoteで彼の作品を熱烈に紹介した作家として、思うことを書いて、公開していました。 解任にいたる判断には納得しているものの、どう受け止めればいいのか言葉にできず、戸惑って苦しんでいるわたしのようなファン、そして、いつもわたしの書くものに寄り添ってくれる読者のみなさんへ向けた内容でした。 小林賢太郎氏の解任の判断に異議を唱える内容でも、彼の活動を擁護する内容でもなく、ファンとしてコントの存在を認識していたわたしがどんな意識を持ちたいと願うかという差し出がましい内容でした。 決して短くなく、読みやすくもない文章だったと反省していますが、貴重な時間を費やして最後まで読んでくださったみなさん、ありがとうございました。 SNSで記事が

    小林賢太郎氏の解任と、わたしの責任(限定公開)|岸田奈美|NamiKishida
    sugimo2
    sugimo2 2021/07/22
    “小林賢太郎氏が過去の発言で解任されたのであれば、その責任は、気持ち悪いオタクのわたしにもある。今をもってわたしが引き受ける”
  • ワクチンを打ったわたし、心臓を止めない薬|岸田奈美|NamiKishida

    お下がりの洗濯機をいつ持っていけばいいかという連絡を母にしたら、いま病院のレントゲン検査にきているとのことだった。 心臓に人工弁を入れている母は、“念のため”の検査がやたらと多い。いつも飄々とした外科医の先生が「うん、今日も異常なっしーん」と壁に貼りつけた検査の書類を見ながら、もう当り前に決まってたことかのごとく言ってくれるのだが、超弩級な心配性の母は、いつもあれこれと質問をする。 その質問が、なんか、天王寺動物園のトラの背中にマウンテンゴリラが乗って檻から逃げ出した想定の避難訓練というか、とにかく「そうはならんやろ」と言いたくなるような想像の産物なので、母はだいたい「そうはならんのですよ」と先生に笑われて、すごすごと診察室をあとにすると言う。 「もう病気はいやや、ピンピンコロリがいい」 母が電話で、さめざめと泣いた。 「すでに病気で二回死にかけとるから、あなたの場合はピンコロ ピンコロ

    ワクチンを打ったわたし、心臓を止めない薬|岸田奈美|NamiKishida
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