あるときは社会問題に舌鋒鋭く切り込み、またあるときは標的に徹底してネット的なブラックユーモアをぶつける……そんな山本一郎さんへの評価は人によってさまざまだ。投資家として成功しながら、ブログ、雑誌、テレビ、SNSなど様々なメディアで発信し、「炎上上等」と言い切り、ネットでケンカをさせたら、おそらく右に出る者はいない。しかし、いまいち判然としないのは、山本さんが「何のために、それをしているのか」だ。 2013年の参画以来、Yahoo!ニュース 個人のオーサーとして、すでに669本(2016年8月31日現在)の記事を執筆している山本一郎さん。90分間、一貫して論理立った説明と、圧倒的な情報量の受け答え、時折差し込まれる「知らないほうが幸せだった」と筆者が感じるほどの際どいネタに翻弄されたインタビュー。しつこく粘った結果、最後に何気なくこぼれたのは、驚くほど真摯な発信の原点だった。 ■ネットの30