四半世紀にわたりデータを捏造(ねつぞう)してきた。そう聞けば、いったいこの会社は不正なしに、ものづくりができるのだろうか、と疑問を抱く。 軽自動車の燃費試験データの偽装を公表した三菱自動車の相川哲郎社長は、会社の存続が問われる事態であるとの認識を示したが、十分な危機感に基づいたものだろうか。 長期間の捏造を認めながら、肝心の対象車種や台数などは「調査中」として公表していない。これでどうやって顧客に説明するのか。国内受注が半減したのも当然だろう。 全容解明への取り組みの遅さを露呈するトップの説明で、会社の今後など展望できない。 三菱自では米当局から燃費試験の実施を求められるなど、販売全体の9割を占める海外からも疑念の目を向けられている。同社だけの問題にとどまらない。自動車大国として、世界の中での日本の信頼が問われよう。 国土交通省への報告では、燃費偽装が発覚した軽自動車でデータを実際に計測し