かくも激しく甘きニカラグア (双書・20世紀紀行) 作者: フリオ・コルタサル,田村さと子出版社/メーカー: 晶文社発売日: 1989/04メディア: 単行本この商品を含むブログを見る コルタサル『八面体』を読んで、もちろん本そのものも素晴らしいんだけれど、ぼくが非常にありがたいと思ったのは寺尾隆吉の解説だった。そこには、ぼくが前から漠然と疑問に思っていたことの答が書かれていたからだ。その疑問とは:なぜコルタサルの後期の作品はイマイチなのか? 『通りすがりの男』とかあまりピンとこなかったし、『海に投げ込まれた瓶』とかは読み通そうという気が起きなくて、でもそのときはこっちの体調のせいかと思ってずーっと本棚に寝かしてあったんだよね。最近出た『愛しのグレンダ』もしかり。でも、それは必ずしもこの読者のせいではなかったのかもしれない。 寺尾の答は明解だ。コルタサルがキューバやニカラグアの政治運動に深