彼からメールを受け取ったとき、私は即座にその内容が嘘だと悟った。JRの運行状況をケータイで見たら、その時間帯に遅れているのは亀戸線だけだった。 40分のちに、彼が現れた。現れた瞬間から、彼は奇妙だった。 まず、腰が折れていた。なんだか体がねじれていた。彼がものすごい嘘つきであることを最大限にプレゼンしている登場の仕方だった。 彼は遅れたことについてさっそくほにゃほにゃと詫びを入れて来たが、全く言葉に心が籠もっていなかった。元引きこもりで対人恐怖症のAくんと初めて会った。 Aくんはブログをずっと書いている男の子だ。対人恐怖症を克服するため、女性への恨みを晴らすために、ホストをしたり、ナンパをしたり、昔の自分と同じような、ひきこもりの太った女の子とセックスして、クリトリスに針を刺してほしいと言われたりしている。あまりに発想が狂気じみているので、良く読者からバッシングされているが、私はそれが「A