収束の見えないコロナ禍で、生活困窮者対象の炊き出しに並ぶ女性が増えている。中には雇い止めなどで失業して家賃が払えず、住まいを失う危機に直面している人もいる。かつて長期間にわたり「女性ホームレス」のフィールドワークに取り組んだ京都大学大学院准教授・丸山里美氏に、その体験を踏まえ、実態が見えにくい女性の「隠れた貧困」について聞いた。 日本で「ホームレス問題」が顕在化したのは、1990年代、バブル経済崩壊後の不況期だ。 当初、大阪・釜ヶ崎(西成区)、東京・山谷(台東区)、横浜・寿町(中区)などの「寄せ場」(日雇い労働者を集める市場)周辺で、仕事が急減して簡易宿泊所(ドヤ)の宿代が払えず、野宿する日雇い労働者が増えていた。不況が深刻化するにつれ、野宿者は寄せ場から都市の広い範囲で見られるようになっていく。 丸山氏が野宿者に関心を持つようになったのは、大学生の時に「好奇心」から釜ヶ崎で炊き出しに参加
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