先日スタバでくだばって、ぼんやり若げな人を見ながら、若い人には夢もあろうなと思ったとき、ふと、奇妙なことに気が付いた。私にも夢があった……が、夢は私を呪縛していただけだったのではないか。私はクズのような人間になってしまった。若い日の夢はかなうことはなかった。何事もなしうるものではなかった。クズはクズなりにつつましく生きるべきだとは思うがかく雑文を書き散らすに得心にはいたらぬ。が、それでも、そのおり、ふと、もう夢から解放されてもいいのだ、夢から自由になってもいいのだという感じがした。 かくあるべしという、サルトルなら投企というか、そういう実存のありようとは、実は実存のありようではなく、存在を擬態にする呪縛ではないのか。ハイデガーのいう世人への頽落も、吾がごとくクズに堕ちてしまえば頽落も糞もなくただ孤独であるしかあるまい。して、最後に夢からも逃れるのだ。 かつて夢があった。夢はむなしかった。私