マウスの視床下部奥深くにあるニューロン群は、相手と戦うか、交尾するかの判断に関わっている。攻撃と交尾に関わるニューロン群は重なって分布している。ただ、攻撃に関与するニューロン群は、交尾中は抑制されている。 これらふたつのニューロン群は互いに競合しているかもしれない。自分の領域内に他のネズミが入ってくるという同じ状況に対して、それが雄なら戦うし雌なら交尾する。こうした対処法が脳に組み込まれている。 ヒトにもあてはまるかも知れない。その場合、一部の性暴力犯罪者では、ふたつの領域の競合関係が崩れ、暴力とセックスの信号伝達が適切に分離していない可能性も考えられる。 (ネイチャーダイジェスト2011年4月「セックスと暴力は脳内でリンク」)