普段から中学生、高校生などに数学、物理を教えている者として、思うことがないわけではない。 その中に、昔から手垢がつくほど議論されている、「公式丸暗記の弊害論」がある。 しかし、その両者とも極端な議論に終始しており、建設的なものをあまり見かけたことがないので、こうやって筆を執ることにした。 まず両者が不毛なのは、「公式丸暗記は弊害ばかりである」「公式丸暗記は問題ない」という根本の価値観が互いに食い違っていることに気付いていない……という点である。これを抑えて議論を進めてみたい。 教育は段階的であるべき 私が生徒に教えるときのモットーに、「教育は段階的であれ」というものがある。その段階はいつでも調整可能で、段数が多いほど、段階が細かいほどよい。 言い換えれば、「生徒の数だけの教え方を」ということである。 逆に、自分の教育を生徒に押し付けた上、「どうして理解できないんだ!」と怒るような人は、教師
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