渋谷にて。チャーリー・カウフマン初監督作品。ついにメガホンを取ったチャーリー・カウフマン、個人的にもかなり期待してでかけましたが、予想を超えるめんどくささ、ややこしさが満載で、さすがこの人はひと味ちがうなと感心しました。この映画をもし三島由紀夫が見たら、「チャーリー・カウフマンは毎朝、乾布摩擦をした方がいい」と忠告するのではないか。なんだかそんなことをおもいました。主演はフィリップ・シーモア・ホフマンで、あいかわらずすばらしい演技でした。 ほんらい脚本家であるチャーリー・カウフマンは、「語ることについて語る」タイプの作者である。脚本家としての資質もあるのだろうが、彼の作品はおおむね、「ストーリーを語るとはどういうことか」について、メタ視点を導入する構造を持つ。一度、語る対象をつき離して、それらを客観的に眺めつつ取りだしてみせるメタ視点は、この作家の大きな特徴のひとつでもある。『アダプテーシ