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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (225)

  • 上院議員候補の「レイプ暴言」、大統領選への影響は?

    今年11月の総選挙へ向けて、共和党からミズーリ州の連邦上院議員選挙に出馬しているトッド・エイキン候補の「レイプ暴言」は、全米のトップ記事を独占しています。このままですと、同候補は天王山選挙区の1つであるミズーリで敗北し、共和党の上院での多数派奪還に黄信号が灯ることになります。そのために、同党の多くの議員たち、そしてお膝元のミズーリの共和党の元議員や現職の議員たちは「エイキン候補の辞退」を要求していますが、稿の時点ではあくまで「居座り」の構えです。 さてこの「事件」ですが、19日(日)のTVインタビューで、同候補が "From what I understand from doctors, that's really rare. If it's a legitimate rape, the female body has ways to try to shut that whole thi

  • 「親日」か「反日」かでは語れない領土問題

    香港人活動家の尖閣上陸で始まり、19日の日曜日には中国各地での反日デモにまで発展した騒ぎに、「これからどうなるのだろう」と感じている日人は少なくない。わたし個人は逆に中国人の方が泰然としているという気がしている。というのも中国人はある意味、単純明確に「領土問題」としてこの事件をとらえているのに対して、逆に日側には見えていない点があまりにも多く、その状態で解読しようとすればするほどわからなくなり不安に結びつく、つまり「知らないこと」が猜疑を生んで怖れや戸惑いに結びついているように見える。 今回まず明らかになった「不明点」は、日社会には尖閣(中国では「釣魚島」、台湾や香港では「釣魚台」と呼ぶ。稿では中国側視点を紹介する場合は「釣魚島」で統一する)を巡る領土紛争についての認識に大きな誤解があることだ。 活動家の上陸が伝えられた瞬間から、ツイッターなどでは「反日」という言葉が飛び交い出した

  • 五輪開会式に見る「国の自己紹介」の難しさ

    先週の金曜日に開幕したロンドン五輪では、映画監督ダニー・ボイル(『トレインスポッティング』、『スラムドック$ミリオネア』)が演出した「英国の自己紹介」が話題になりました。構成としては英国の長い歴史を概観したものですが、内容にはボイル監督による一種の「穏健左派の視点」がハッキリ入っており、なかなか興味深い「ショー」でした。 まず、ボイル監督は英国の原点を「農村」に置きました。豊かな緑と穏やかな気候に守られた農村が国の原点という見方です。続いて産業革命が大きく国家のありようを変えますが、その主役はあくまで労働者という描き方がされます。更に二度の世界大戦での勝利ということも描かれますが、これも無名の兵士への賞賛という視点、そして戦後に達成した「福祉国家」英国の誇りとして国民皆保険制度(NHS)が大きく取り上げられます。 その後も、ボイル監督の「視点」は随所に感じられました。エリザベス女王が「00

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    sumoa 2012/07/30
  • 鳩山外交バッシングを考える

    少し古い話だが、4月、鳩山元首相のイラン訪問が大きな話題となった。 日国内の報道、解説のほとんどが、「とんでもないことをしてくれた」的な非難で渦巻いている。 この反応には、正直ぞっとした。これは、外交そのものの否定ではないだろうか。「訪イランは国益に反する」と断罪する各マスコミの反応は、かつてイラクで起きた人質事件の際、イラクを訪問する民間人を「政府・自衛隊に迷惑をかけた」としてバッシングした不気味さを彷彿とさせる。 確かに、鳩山元首相が議員外交を行ううえで適切な人物だったかどうかには、留保がつく。しかし、「「国益」に反する」という理由が、イランの「核開発疑惑」が指摘され、米・イラン関係が悪化し、いまにも米軍かイスラエル軍が攻撃しようとしているのでは、と懸念され、あまり話のわかる相手とはいえそうもないアフマディネジャード大統領が反政府活動を抑圧している、というのであれば、それは全く訪問す

  • 世界一「不安」な日本人よ目を覚まそう!

    今週のコラムニスト:クォン・ヨンソク 〔3月14日号掲載〕 不安──長年、日に住んできたが、この言葉はよく聞く言葉のベスト5に入るのではないだろうか。最近では、その頻度がさらに増した気がする。 地震、津波、放射能に始まり、年金、少子化など将来への不安、消費税、円高、TPPなど経済的不安、健康・社会的不安......。国内だけではない。欧米の経済危機、イラン情勢、中国の台頭、ロシアの存在感、韓国やアジアの躍進、北朝鮮の指導者交代など、日は不安に包囲された「不安列島」といえる。 ニューヨークの広告代理店J・ウォルター・トンプソンの09年の調査でも、「現在、不安がある」と答えた日人は約90%と調査対象11カ国の中で最も多く、主要な先進国を大きく上回った。 スポーツの世界でも不安はお決まりの文句だ。特に、メジャーリーグに挑戦するプロ野球選手など世界を相手に戦うアスリートに「不安はないですか?

    世界一「不安」な日本人よ目を覚まそう!
  • 男でも女でもない「中性」容認の波紋

    同性愛者の結婚や性同一性障害者の性別変更などさまざまな権利を勝ち取ってきた性的マイノリティーの戦いに、また新たな一ページが記された。3月中旬、シドニー在住の48歳の人物が、男性でも女性でもない「中性」であると公式に認められたのだ。 イギリス生まれのノリー・メイ=ウィルビーは男の子として育ったが、28歳で性転換手術を受けて女性に。それでも、「女として扱われるほうがましだけど、女性という分類もしっくりこない」と感じたメイ=ウィルビーは、胸を大きくするホルモン剤の投与を中止し、「中性」として生きることを選択。イギリス当局に出生証明書の性別表記の変更を求めてていた。 身体的特徴を精査しても「男女のどちらにも分類できない」という医師の判断が1月に出たことが後押しとなって、当局は出生証明書の変更を容認。これを受けて、メイ=ウェルビーが住むオーストラリア・ニューサウスウェールズ州当局は、メイ=ウェルビー

  • あのアメリカですら自国国旗の焼却が禁じられていない理由

    たびたび、大阪の橋下市長がらみの話題で恐縮ですが、国体(国のかたち)を考える上での良いレッスンになるのではと思い取り上げます。今日は、国旗国歌への態度と「国際社会」の関係についてです。 今週の市長の発言の中に、「国歌斉唱の際に手を前に組んでいるのは失礼で、国際社会では許されない」という主旨のものがありました。この種のものとしては、スポーツ選手などが海外での試合に臨んだ際に国歌を歌っていないのは「国際社会での常識に欠ける」というような言い方があり、市長もそのような主旨での発言を以前にしていたと思います。 確かに1つの考え方です。スポーツの対外試合というのは一種の民間外交ですから、それなりの外交儀礼というものがあり、他国の国旗国歌への尊敬だけでなく、自国の国旗国歌に対しても儀式の格調を維持するためにも、国家を代表している敵味方相互をしっかり認めるという意味合いからも必要だと思います。 例えばサ

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    sumoa 2012/03/23
    いい加減な論理の問題を丁寧に分解して、きちんと明らかにする記事は素晴らしい。
  • イラン人科学者暗殺はイスラエルの仕業か

    この4年間で暗殺されたイラン人科学者は、これで少なくとも6人目だ。先週イランの首都テヘランで、核科学者のモスタファ・アフマディ・ロシャンが乗った車が爆破された。 目撃者によれば、アクション映画ばりの暗殺劇だった。走行中の車に男がバイクで近づき、車のドアに磁石式の爆弾を取り付けて逃走。科学者と運転手が爆死した。 一連の暗殺事件は、イランの核開発計画を止めたいイスラエルの仕業だと、多くの専門家が考えている(国内指導部の内紛など、政治的理由でイラン政府が自ら手を下したケースもあるという見方もある)。今回もイラン政府はイスラエルとアメリカが関与していると非難したが、米政府は関与をはっきりと否定した。 一方のイスラエル政府は公式な声明を出さず、例によって肯定も否定もしていない。しかしイスラエル国防軍の特殊部隊「サエレット・マトカル」のドロン・アビタル元司令官は、イスラエル軍は自国から遠く離れた土地で

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    sumoa 2012/02/19
  • 香港の不安

    上海でビジネスを営む、香港人の元同僚から久しぶりに電話があった。 「知ってる? 北京大学の教授がさ、香港人を『犬!』って罵ったって...」 ああ、それ、あの時は香港人が大騒ぎしてたけど、もうとっくの昔にみんな話題にもしなくなっているよ。だって、あの教授、北朝鮮政府支持者として有名で、もともと中国の知識人の間でも「変なヤツ」で通ってるからね。「あいつがまた素っ頓狂なこと言ってらぁ」ってそんな感じだよ。逆にそういう人も教授になれるってことを知って、香港人の北京大学崇拝も潰えるだろうから、かえってよかったんじゃないの? 「いや、大学教授がどうこうじゃなくて、そういう見識の大陸人がたくさん香港に流れ込むのはやっぱり問題だと思うんだよな。きっかけになったビデオの大陸観光客だって、地下鉄の中で飲しているのを注意されて反撃してる。ああいう黒を黒と思わない大陸人はぼくも上海でたくさん見てるけど、2003

    香港の不安
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    sumoa 2012/02/11
  • 「放射能ヒステリー」が被災地の復興を阻害する

    東日大震災の被災地からの瓦礫の受け入れをめぐって、全国で自治体と住民の対立が起こっている。今のところ自治体として受け入れを正式決定したのは、東京都と山形県だけで、神奈川県の黒岩知事は受け入れを表明したが、処分場の地元である横須賀市の町内会が反対している。 秋田県では「放射能を拡散させない市民の会」なる社民党系の団体が、全国の反対運動を結集して瓦礫を拒否するよう呼びかけている。瓦礫の試験焼却を行なう静岡県の島田市では、広報紙に掲載されたこんな投書が話題を呼んだ。 「今する支援は避難者の受け入れ、これ以上の放射性物質を増やさないことです。子供は大人の何十倍も放射能の影響を受けてしまうのに、あなたは子供にも強要するなんて瓦礫利権の金目当ての腐った人です」。 「もはや、岩手県は日の敵である。人にお願いをする時は静岡県民一人一人に頭を下げるべきなのに、偉そうな態度で上から目線で当たり前だと思って

    「放射能ヒステリー」が被災地の復興を阻害する
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    sumoa 2012/02/11
  • 原発事故対応の「議事録隠し」の動機を推測する

    東日大震災や東電福島第一原発事故の対策に関連する政府の会議(複数)で、議事録が作成されていないことが露見し、問題になっているようです。このニュースの見出しだけを見れば「官僚が手を抜いたのでは」とか「パニックの中、残すべき記録が消えたのだろう」などというイメージで受け流されてしまいそうです。 しかしながら、政府として公式の会議を開催しておきながら、その結果について具体的な議事録が作成されていないというのは異常です。異常事態だから作成を忘れたとか、記録したが誤って消去したということはないでしょう。明らかに議事録を残せない理由があるはずです。 まずその理由ですが、推測は簡単です。議事録の公表に参加者から異議が出たのだと考えられます。官庁でも会社でもそうですが、少しでも公的な性格を持つ会議というのは、議事録を作成します。ですが、それは「完全な速記録」ではないのです。 例えば議会の議事録は完全な速

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    sumoa 2012/02/02
  • 「日本よ、がんばれ!」@香港

    香港で入った書店で、「日・再出発」というタイトルのが目に入った。カバーに使われている写真はあの「希望の松」だ。小さな「頑張ろう!日!」と日語で書かれた赤いステッカーが貼り付けられていた。手に取ると、副題に「日で暮らす香港人22人の地震後の想い」とある...ぱらぱらと開いて、ふと思った。ほかの国でもこんなが出ているのだろうか? 我々は日で震災後海外における「風評」ばかりを気にしてきたが、こんなふうに日で暮らす人々が自分の震災経験を自国の人に伝えようとしていることに我々は気づいているだろうか? 「日人はどうしてこんなに前向きになれるんだろうと、なんども考えた。災難に慣れているから? 周囲のことなんて気にしてないから? どちらかというと、わたしはこう感じている。ここが彼らの家だから、ここを離れるなんて考える必要のない問題だから。SARSの(感染地域に指定された)期間中、わたしも

    「日本よ、がんばれ!」@香港
  • 馬英九再選と中国の限界

    先日のこのブログでお知らせしたとおり、今月14日投開票の台湾総統選を現地で取材してきた。国民党の現職、馬英九か、民進党の女性候補、蔡英文か。どちらが当選するか分からない混戦だといわれていたが、フタを開けてみれば馬が80万票差、得票率にして6%のリードを守って逃げ切った。 なぜか登場とともに降り出した雨の中、勝利宣言する馬英九(14日、台北)(C)NAGAOKA YOSHIHIRO 詳細は18日発売の誌1月25日号に書いたレポートをお読みいただきたいが、現地で取材をしていて意外に感じたのは、「中国との関係は投票に影響しない」と答えた有権者が少なからずいたことだ。選挙期間中、経済、格差とともに「1つの中国」を中台が確認した「92年コンセンサス」が争点として現地メディアにひんぱんに取り上げられていた。ところが話を聞いた中間選民と呼ばれる台湾の浮動層は、みな「まず今の暮らしを守ること」を第一に掲

  • 「村上春樹による小澤征爾インタビュー」はどこが凄いのか?

    この年末年始に読むべきを1冊だけ挙げるとしたら『小澤征爾さんと、音楽について話をする』というタイトルで新潮社から出ている、小澤征爾氏に対する村上春樹氏によるインタビューを推薦したいと思います。インタビューを活字にしたという変則な作りのではありますが、期待した以上の内容であり読み応え十分でした。 まず驚いたのは村上氏のインタビューの姿勢です。一定程度の音楽の知識を前提としつつも、数多くの音楽ファンの「平均的な視点」から一切ブレることなく、適切な質問と反応を繰り出してくる、まるでプロのインタビューアーのような、最上のプロフェッショナリズムがそこには感じられました。 一連の「世界との距離感(デタッチメント)」を描いた小説群から、「ねじまき鳥」を転回点として、オウム事件の被害者と加害者の双方の取材などを通じて「他者との、そして世界との関わり(コミットメント)」へと創作の姿勢を移しつつあるという

  • ニューヨーク・フィルの「iPhone 着信音事件」、その時指揮者は?

    昨年末にご紹介した小澤征爾氏と村上春樹氏の対談について、一点気になる部分がありました。それは往年の巨匠レナード・バーンスタイン(『ウェストサイド物語』の作曲者でも有名)が音楽監督だった時代に研修生として指揮をした経験に基づいて、小澤氏がニューヨーク・フィルハーモニーの演奏姿勢について否定的であった点です。 小澤氏の批判は、特に弦楽器の奏法が「軽い」というものでしたが、この点に関しては一昨年からアラン・ギルバート氏が音楽監督に就任したことで大きく改善されています。楽団の名誉のためにも、そのことを申し上げておきたいと思います。このギルバート氏は、日人のお母様が同楽団の現役バイオリスト、お父様も同楽団のバイオリニストで人もバイオリン奏者であり、就任早々に弦楽セクションの奏法を変更しているからです。 さて、このギルバート氏ですが、NYフィルの音楽監督として最も力を入れているのは、グスタフ・マ

  • 変わる台湾、変わらない台湾

    「こいつ巻き舌だよ、ハハハ!」 大学のラグビー部の遠征試合で初めて台湾を訪れた1990年、中国語学習者だった筆者は、試合相手の台湾人から交流会でこんな風にからかわれた。中国語学習者は一般的にまず大陸で話される標準的中国語「普通話(プートンホア)」を教えられるが、普通話は巻き舌音を特徴とする北京方言の発音を基にしている。このため、外国人学習者は(かなり慣れない)巻き舌音を最初から仕込まれるケースが多いのだが、これが大まかにいって中国の南半分を占める「巻かない」人々の癪に障る。台湾も、少なくとも今から20年前は確実に「巻かない」地域だった。 06年、取材で16年ぶりに訪れた台湾で筆者は台湾人たちの変化に驚かされた。あれだけ巻き舌を毛嫌いしていた彼らの口から出る中国語が、微妙に巻いているように聞こえたからだ。もちろん生粋の北京人のように「ギュンギュン」に巻いているわけではないが、テレビのアナウン

    sumoa
    sumoa 2012/01/12
    読ませる。14日に投開票。
  • 「橋下イズム」と「ティーパーティー」その同時代性 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    予想通りの圧勝でした。大阪市の橋下候補はともかく、大阪府の松井候補も大差での勝利、しかも歴史的な高投票率ということですから、この選挙結果は無視できません。それにしても、アメリカで見ていて思うのは、日米の政治風土が酷似しているということです。 非常に小さな例では、例えば私の住んでいる地区では、大学町のプリンストンでも似たような事件がありました。町の中心部にある自治区(プリンストン・ボロ)と、その周辺を取り囲むような町(プリンストン・タウンシップ)というのは、コスト配分を巡る争いから100年以上分裂した自治体を形成していたのです。ですが、今年行われた住民投票の結果で、最合併することになりました。その目的は単純で行政二重コストの削減です。試算によれば、合併後の全域で、固定資産税の減税が可能になるというのです。勿論、リストラの痛みは伴いますが、双方での住民投票の結果ですから仕方ありません。 このプ

    sumoa
    sumoa 2011/11/28
  • イタリアを売春宿に変えた男

    文化の一部? 首相の「ブンガブンガ」と呼ばれる悪名高いセックスパーティーは有名(写真はローマの売春婦) Reuters 「イタリア人がドイツ人に、美女を口説くテクニックを伝授するというジョークを知っているかな?」。ある大学の卒業式で、イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ首相(74)が学生に問い掛けた。彼はそこで言葉を切り、ウインクしてから、オーラルセックスに絡んだ下世話なオチを披露した。 しかし見事にスベって会場は静まり返った。「ソフトなバージョン過ぎたかな」と、ベルルスコーニは言葉を継いだ。「物はもっと面白いぞ。君らが想像できないくらいに」 その数分後、成績優秀者の表彰式で登壇した2人の金髪美女に、首相はにやにやと語り掛けた。「おめでとう。君たち2人は最高だ。ブンガブンガ(彼の悪名高いセックスパーティーのこと)に招待しよう」 2人の笑顔が凍り付いた。 ベルルスコーニの下品な冗談は毎度のこ

  • その男、危険につき

    中国当局はなぜこんな失策をしでかしたのだろう。 11月15日までに1552万人民元(約1億8千万円あまり)の支払いを命じられたとされる、中国の芸術家艾未未氏のもとに、その通告からわずか1週間余りでなんと600万人民元を超える募金が集まった。艾氏はこの募金を「借入金」、そして募金者を「債権主」と呼び、「無利子だが1年後に0.01元に至るまで返済する」と公言している。 人ではなく、彼の支援者が呼びかけたこの「艾未未の債権主になろう」活動は、ここ半年ほど彼の周囲を覆っていた暗い気分を一挙に吹き飛ばした。募金額とその募金者数は1日2回、午前と午後に支援者によってツイッターを通じて1ケタに至るまで報告されている。 それらは中国最大のオンライン決済サービスである「アリペイ」や、支援者個人の中国建設銀行口座、さらに郵便送金を通じて届けられる。一時は外国からの送金も考慮して国際的な決済サービス「ペイパル

    その男、危険につき
  • 現代社会では直接民主制は機能しないという3つの理由とは?

    それにしても、ギリシャのパパンドレウ首相の声明には驚きました。一旦合意したはずの国家債務処理スキームに関して改めて国民投票にかけるというのです。欧米の株価はこれを受けて急落しました。「国民投票で救済パッケージが否決される可能性」「ギリシャ国債の更なる暴落」「ギリシャはユーロからの追放」「ユーロ圏維持の救済スキーム破綻は、イタリアやスペインへも波及」というように、恐怖の心理が一気に広がったのです。 折角ソフトランディングへ向けて欧州首脳が頑張ったのに、スロバキアなどの渋る参加国も何とか説得したのに、ということですが、一方で1日(火)の米国東部時間午後にはギリシャの野党筋から「所詮はパパンドレウの延命策、国民投票など不可能」というコメントが出ると、少し市場には安堵の色が出たりしています。いずれにしてもギリシャに振り回された一日となりました。 では、どうして欧米市場は「レファレンダム(国民投票)