クマムシ遺伝子のヒト細胞への導入がはじまっているクマムシ遺伝子のヒト細胞への導入がはじまっている / Credit:Canva細胞が乾燥すると何が起こるのか? 20世紀の後半になると、乾燥した細胞に起こるダメージの詳細が明らかになってきました。 乾燥した細胞では単に表面にシワやひび割れを起こすだけでなく、細胞内のタンパク質が変質を起こして、機能が停止してしまいます。 また乾燥が進むと細胞内に残った残った水は水素(H)と水酸化物(OH)に分解され、ラジカルと呼ばれる有毒な化学物質を発生させ、DNAを破壊することが明らかになりました。 クマムシが生き残るには、何らかの方法でDNAへのダメージを防がなければなりません。 2016年、日本の研究者たちはクマムシは、地球上の他の動物にはみられない「Dsup(ダメージサプレッサー)」と呼ばれるタンパク質を生成しており、この「Dsup」にはDNAに結合し