閑さや岩にしみ入る蝉の声 『ぼくたちの洗脳社会』の続編は結局書かれなかった。文庫本の裏表紙で自信ありげに予告されているのを見つけて以来、ずっと頭の隅に残っていた「それ」を誰も書いてくれない以上、自分で書いてみることにする。 「それ」をとりあえず「虚構浄土」と命名した。これは岡田斗司夫はおそらく関係ない、自分の中でできあがってきたイメージの話になると思う。この本で示された予測や見解を基本的に正しいとした上での、その向こう側にちらちらほの見えるイメージの話。 『ぼくたちの洗脳社会』は序章だった この本は最も重要なことに触れずに終わってしまった。 まず「第一の波『農業革命』、第二の波『産業革命』、そして現在起こりつつある第三の波『情報革命』によってすべては変化する」という未来学者アルビン・トフラーの予言。 それを受けての堺屋太一による「豊かなものをたくさん使うことは格好よく、不足しているものを大