タグ

ブックマーク / www.philosophyguides.org (3)

  • スピノザ『エチカ』を解読する

    スピノザ 書は、オランダの哲学者バールーフ・デ・スピノザ(1632~1677)の主著だ。1662年から1675年にかけて執筆され、スピノザの死後、1677年に出版された。 スピノザはデカルトやライプニッツと並び、合理論を代表する哲学者だ。近代哲学の初期における認識論の分野で活躍した。 合理論に対する立場に、ロックやヒュームによる経験論がある。合理論と経験論のポイントを対比的にまとめると、おおよそ次のようになる。 合理論 根原理から推論を合理的に積み重ねていけば、世界は正しく認識できる。 経験論 世界は知覚経験の及ぶ限りで認識できる。知覚経験に先立つ根原理は存在しない。 歴史的には、合理論が数学の発展とともに現れ、これを受けて経験論が合理論の独断的な性格を指摘するという仕方で展開してきた。 スピノザは書で、根原理を置き、そこから合理的な推論を積み重ねて、世界のあり方を描き出している

    スピノザ『エチカ』を解読する
  • フロイト『精神分析入門』を解読する

    『精神分析入門』Vorlesungen zur Einführung in die Psychoanalyseは、オーストリア出身の心理学者フロイトによる著作だ。1916年から1917年にかけてウィーン大学医学部で行った講義をもとにしており、同年、全3巻で出版された。 書は3部構成となっている。 錯誤行為 夢 神経症総論 なお、書の続編として、『続精神分析入門』Neue Folge der Vorlesungen zur Einführung in die Psychoanalyseが1933年に出版されている。これは『精神分析入門』のように実際に大学の講義で使われたものではないが、同じ形式で著されている。以下では『続精神分析入門』もあわせて確認していくことにする。 『精神分析入門』では『夢判断』や『性理論三篇』、『続精神分析入門』では『快感原則の彼岸』や『自我とエス』などで論じた内容

    フロイト『精神分析入門』を解読する
  • アーレント『革命について』を解読する

    ハンナ・アーレント(1906年~1975年)はドイツ出身の政治哲学者だ。主著としては書『革命について』(1963年)のほか、『人間の条件』や『全体主義の起源』などがよく知られている。 書でアーレントは、歴史上最も有名な2つの革命、すなわちフランス革命とアメリカ独立革命についての考察を通じて、自由論を展開する。 自由とは何か?書の解答をひとことで言うと、自由とは公的領域への参加を意味する。自由と似た概念に解放liberationがある。解放は自由にとって必要な条件だが、それだけでは十分ではない。自由は解放を踏まえ、共和的な政治体を基礎として創設されなければ存在しないものであり、ただそれを可能とする革命のみが真の革命に値する。これが書の全体的な主張だ。 アーレントの文章はかなり読みにくい。変にもったいぶった言い回しが多いため、ポイントがどこにあるのかを見て取るのが結構難しい。ただ、表現

    アーレント『革命について』を解読する
  • 1