映画にとって、“おもしろい”って何だろう……。これは、『バーフバリ 王の凱旋』を初めて浴びた際に、ふと頭に浮かんだたった一つの疑問である。 こちらの想像を超えるド派手なアクション、豪華絢爛な歌と踊り、重厚な人間ドラマ、多様される神話モチーフとその反復。『バーフバリ』には、その全てが織り込まれていた。全てを内包した上で、計算され尽くした脚本と演出、キャスト渾身の演技によってその爆発力はぐんぐん増していき、結果として大河のように長く太い叙事詩としてフィルムに収まり、本国インドから伝来した熱狂は海を越え、遠く離れた日本をも席巻した。バーフバリ旋風と呼ばれたそのムーブメントは、その後の数多のインド映画の日本での上映を後押ししたであろうと素人目にもわかるほどの、大きな熱だった。 その熱に新たに薪をくべるのは、“創造神”ことS・S・ラージャマウリ監督その人である。日本とインドの絆を繋げたこのフィルムメ