佐村河内守さんは奥様の手料理を前に「いただきまぁす」と手を合わせる。が、守さんは料理には手をつけようとせずジョッキに注がれた豆乳を飲む、飲んで飲み干す。ようやくハンバーグかと思いきや再び豆乳。わたしたち観客は、守さんはバッシングの心労で食事が喉を通らないのだろう、お気の毒に……。と、思ってしまう。しかし、真意を問う森達也監督に対して守さんは「好きなんです、豆乳!」と臆面なく答え、観客一同ずっこける。「お気の毒」と感情移入してしまう側がFAKE現象を生んでいくことをこの映画は指摘している。 庵野秀明の映画の魅力はそのような「思わせぶり」に満ちていることだ。これによって鑑賞者の想像力が刺激され作品に様々な解釈が生まれていく。 ぼくは新劇場版『エヴァ:破』と『エヴァ:Q』が公開される間に、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版 -サウンドインパクト- 』というゲームを制作した。これは公式な2次創作であり「中