一行は高校生活最後の夏を十二分に満喫していた。真っ赤な夕陽は優しくも烈しく、彼等のこれからの人生に声援を贈るかのように力強く照り輝く。各々はその翳を踏みながらも意気揚々とした面持ちで帰途に着いた。 健太は初めて出来た彼女といちゃつきながら歩いている。 「俺、二人で帰るから、みんなは先に行っててよ」 「はいよ~」 今では健太もすっかりヤンキーの仲間入りでもしたような心持で、彼女が出来た影響もあってか何時になく陽気であった。 修二は清政と二人で、誠也はまり子と家に帰った。 家に着くと二人は真っ先にシャワーを浴びた。そして当たり前のように誠也の部屋に入る。誠也もまり子も少し小麦色に日焼けした肌が実に若々しく映える。誠也は取り合えず冷蔵庫から缶チューハイを持って上がった。 「乾杯!」 「あー美味しい、今日は楽しかったね、健太君おおはしゃぎしてたわね」 「あぁ」 「何か悩んでるの? さっきからちょっ