「先生が他の子を怒るのが怖い」「騒がしい教室が苦手」――。生まれつき、人の気持ちや周りの刺激に敏感な特性を持っている子どもがいることを知っているだろうか。「HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)」と呼ばれ、不登校やひきこもりの背景の一つとして、注目されている。(田中ひろみ) 「うちの子のことだ」 千葉県内に住む女性(38)は、4年前、本でHSCのことを知った。小6の長女(11)は、小さい頃から、服がチクチクするのを嫌がったり、大きな音でパニックを起こしたりしていた。 HSCは、感覚に敏感という特徴から、発達障害の一つ「自閉症スペクトラム障害」と勘違いされることもあるが、人の気持ちをくみ取るのが得意という点が異なる。 長女も、保育園の頃から、同級生に髪の毛を引っ張られても、「あの子はかまってほしくてやっているだけだから大丈夫」と理解を示したり、相手を傷つけない言いまわしで誘いを断ったり