65歳の時に脳溢血で右半身不随になった後、左手だけの演奏で奇跡の復活を遂げた「左手のピアニスト」舘野泉氏。福島県の南相馬市民文化会館(旧原町市民文化会館)で名誉館長を務め、東日本大震災後は演奏会などで南相馬市周辺の住民たちを励まし続けてきた。現地の小学校へピアノを贈ることに尽力、2013年にはフィンランドの「ラ・テンペスタ室内管弦楽団」を南相馬市に招へいするなど、多忙な演奏活動を続けながらも被災地支援に力を注いできた。 若くしてフィンランドに渡り、シベリウス、グリーグなど北欧の優れた作曲家はもとより、南仏のセヴラック、ブラジルのナザレ―やピアソラなど知られざる作曲家たちの名曲を日本に紹介してきた。その透明感ある演奏から「鍵盤の詩人」とも言われる。左手で演奏するための新たな演奏技法を創り出し、世界中の作曲家に「左手のための曲」の作曲活動を促して、78歳の今も革新的な活動で活躍し続ける。201