タグ

ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (10)

  • なぜ、あの人は、あやまちを認めないのか?

    「謝ったら死ぬ病」をご存知だろうか? どんなに証拠を突き付けても、絶対に非を認めない人だ。 プライドの高さや負けず嫌いといった性格的なものよりもむしろ、過ちを認めることが、自分の命にかかわるものだと頑なに信じている。すなわち、「謝ったら死ぬ」という病(やまい)に取り憑かれている―――そんな人がいる。 もちろん、想像力が衰えて視野が狭く、無知な自分を認めたがらないような頑固者なら、可哀そうに思えども理解はできる。 だが、第一線で活躍する知識人や学者で、ものごとを客観視できるはずなのに、この病気に罹っている人がいる。それどころか、その優れた知性を用いてコジツケを考えだし、論理を捻じ曲げ、のらりくらりと言い逃れる。 なぜ、あの人は、あやまちを認めないのか? ずばりこのタイトルの書を読んだら、疑問が氷解した。 それと同時に、「謝ったら死ぬ病」は私も罹患していることが分かった。「あの人」ほどは酷く

    なぜ、あの人は、あやまちを認めないのか?
    surume000
    surume000 2023/11/19
    謝った人にオープンレター送りつけた連中が、草津の件ではロクに謝罪していないの面白いよね
  • この本がスゴい!2020

    今年の一年早くない? トシ取るほど時の流れを早く感じるのは知ってるけど、今年は特に、あっというま感がすごい。恒例のこの記事、もう書くの!? と思ってる。 毎年、「人生は短く、読むは多い」と能書き垂れるが、今年は、「人生は加速的に短く、読むは指数的に多い」と変えておこう。 そして、昨年と比べると、世界はずいぶん変わってしまった。 基的に外に出ない、人と会わないが普通になり、マスク装備が日常になった。オフ会や読書会でお薦めしあった日々は過去になり、代わりにZoomやチャットでの交流が増えた。 ポジティブに考えると、そのおかげで、読み幅がさらに広がった。わたし一人のアンテナでは、絶対に探せない、でも素晴らしい小説やノンフィクションに出会うことができた。お薦めしていただいた方、つぶやいた方には、感謝しかない。 さらに、今年はを出した。 ブログのタイトルと同じく、[わたしが知らないスゴは、

    この本がスゴい!2020
    surume000
    surume000 2020/12/01
    面白そうな本ばかり
  • 「世界文学」の日本代表が夏目漱石ではなく樋口一葉である理由

    世界文学全集を編むなら、日本代表は誰になる? 漱石? 春樹? 今なら葉子? 審査は、世界選手権の予選のようになるのだろうか。投票で一定の評価を得た著者なり作品が、トーナメントを勝ち抜いて、これぞ日本代表としてエントリーするのだろうか。 スポーツならいざ知らず、残念ながら、文学だと違う。春樹や葉子ならまだしも、夏目漱石は予選落ちである。 なぜか? 『「世界文学」はつくられる』に、その理由がある。近代日語の礎を築いたことで誉れ高い漱石でも、世界的に見た場合、西洋文学のコピーとして低く評価されているという。 「世界文学」での漱石 『坊ちゃん』『』が有名だし、教科書で『こころ』を読んだ人もいるだろう。何と言っても千円札の顔だから、諭吉よりは見慣れている。やたら有難がる人もいるのは、ザイアンス単純接触効果じゃね? と思うのだが、彼の造語とされる「沢山」「反射」「価値」「電力」は、人口に膾炙してい

    「世界文学」の日本代表が夏目漱石ではなく樋口一葉である理由
    surume000
    surume000 2020/11/08
    ポリコレのせいでアカデミズムがバカになっているという話
  • これが教養だ! 『これは水です』

    書店に行くと「教養」を謳う雑誌やの多いこと。 ひと昔前のマジックワード「品格」「大人の~」と一緒やね。来ソレが足りなかったり欠けていることを指摘して、その雑誌なりを「買う」ことで補完できるというレトリック。あるいはソレに価値を見いだしている自尊心をくすぐるテクニック。騙されるほうが馬鹿なんだが、わたしもよく騙される(レジまで騙されたら負け)。 つまり「教養」を人質に、コンプレックスを煽るビジネスなのだ。 エセ教養人の手口 「ビジネスリーダーに求められる教養」とか「人生を豊かにする教養」という惹句で、人間関係を円滑にしたり信頼関係を築くためのツールとしての「教養」が重要だという。で、よくよく聞いてみると、ただの雑学や豆知識だったりする。要するに、アイスブレイクや知的マウンティングに使える小話のことを、「教養」と呼んでいるにすぎぬ。 そうやって「教養人」を名乗り、まとめサイトやWikip

    これが教養だ! 『これは水です』
    surume000
    surume000 2018/09/03
    容疑者Xの献身の犯人、捕まってもずっと数学の命題かなんか考えてたよな。あれが教養か
  • 『小説・秒速5センチメートル』の破壊力について

    3編にわたるオムニバス形式で、初恋が記憶から思い出となり、思い出から心そのものとなる様を、驚異的なまでの映像美で綴っている。 ノスタルジックで淡く甘い展開を想像していたら、強い痛みに見舞われる。わたしの心が身体のどこにあってどのような姿をしているのか、痛みの輪郭で正確になぞることができる。予備知識ゼロで観てしまったので、徹底的に打ちのめされた。涙と鼻汁だけでなく、口の中が血の味がした(ずっと奥歯を噛みしめていたんだと思う)。初めて観終わったとき、それほど長い映画でもなかったのに(1時間とすこし)、疲労感で起き上がれなくなった(ずっと全身に力を込めていたんだと思う)。 何度も観ているうちに、「それを観たときの出来事」が層のように積まれていく。どんな季節に、誰と/独りで、何を思い出しながら観たかが、痛みとともに遺されていく。あるときは彼の気持ちになり、またあるときは彼女に寄り添い、観たという記

    『小説・秒速5センチメートル』の破壊力について
  • コピーが経済を回す『パクリ経済』

    結論を一言にすると、「イミテーションはイノベーションを加速する」。 模倣が創造を促すといえばその通りだろう。だが、世間一般の通念は違う。音楽や映像、書籍や製薬などの業界を見る限り、著作権や特許権でコピー禁止の「常識」が形作られている。クリエイターの努力が簡単にコピーしていいのなら、誰もわざわざ新しいものを創ろうとしなくなり、最終的にはその産業が壊滅してしまうという懸念が背景にある。 書はこの「常識」に異議申し立てをするものだ。ファッション、アメフト、料理、金融、音楽といった分野に目を向け、コピーがイノベーションを促進しているだけでなく、成長の鍵となっている証拠を次々と指摘する。この事例が面白い。単なる反証ではなく、それぞれの歴史的経緯を踏まえながら、どのように折り合いをつけてきたかを解き明かす。 たとえばファッション。メジャーブランドが新作を発表すると、すぐさま模造品が出回るが、そうした

    コピーが経済を回す『パクリ経済』
  • 身体のリバースエンジニアリング『人体 600万年史』

    完成品を分解したり観察することによって、動作原理や設計・仕様を調査することをリバースエンジニアリングという。これを「人体」に適用したのが書になる。 しかし人体は「完成品」ではないし、設計図からデザインされたものですらない。その時々の環境に応じて「生きる」「殖える」ことを目的とし、変化を重ねてきた。人の身体には、パリンプセストの羊皮紙のように何度も消しては書かれてきた跡が見えるという。「私たちの身体には物語がある」と断言する著者は、そうした人体と環境の変化を、ときには精緻に、ときにはドラマティックに明らかにしてくれる。 非常に面白いのは、「人の身体はなぜこのようになっているのか」というアプローチから迫ってゆくうち、「人は何のために生きるのか?」への回答がなされていること。人類の祖先との身体構造の違い―――長い脚、高い鼻、大きな頭といったパーツから始まって、なぜべ物を喉に詰まらせるのか(気

    身体のリバースエンジニアリング『人体 600万年史』
    surume000
    surume000 2015/10/30
    bort to run, born to talk
  • 「死ぬときに後悔すること」ベスト10

    余命、数週間。不自由な体、満足に歩くこともできない。日中も寝ている時間が多くなり、頭もうまくはたらかない ──そんな人生の最終章の人に向かって、こう問いかける。 いま、後悔していることは、何ですか? 「死ぬときに後悔すること25」の著者は、終末期における緩和医療に携わる医師。現場で見聞した、「余命いくばくもない状態で、後悔すること」をまとめたのが書なのだ。得られた答えは、多様でいて一様だし、複雑なようで単純だったりする。 もうすぐ自分が死ぬと分かっている人が、何を悔いているのか。これを知ることで、わたしの人生で同じ後悔をせずにすむのだろうか。考え考え読んで、いくつかの「先立つ後悔」を得ることができた。後悔は後からしかできないものだが、これはわたしにとって「先悔」となるものを、ランキング形式でご紹介。書では25章に分かれているが、わたし流にベスト10に絞ってみた。 第10位 健康を大切に

    「死ぬときに後悔すること」ベスト10
    surume000
    surume000 2009/08/10
    第1位 愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと
  • 「モテるコンサルティング戦略」は強力なケーススタディ

    第1問目をアレンジ、正解はどれ? Q:アキバ系の君がモテたいと思った。最初に何をするべきか? 男は内面が大切。読書や習い事で人間性を深めたり礼儀作法を身につける まず外見から。メンズエステに通ったり、髪型・ファッションから脱アキバを図る 女は数打ちゃ当たる。ネット&リアルの出会い系に登録しまくり、実践で男を磨け 答えはもちろん2.で、外見がむさくるしいと、何をどうしてもダメ。顔や体型が全て、と言っているのではない(そんなものは服やエステでいくらでも"加工"できる)。重要なのは、最低限クリアすべき条件を満たしていない場合、他のどんなに優れた資質を持っていても、見向きもされないということ。これを、どんな経営学の教科書にも載っている、ハーズバーグの動機付け(衛生理論)とからめて説明しているところが面白い。 とりあえず↑に正解したなら、読む必要はないだろう。不正解だったり、解説にナットクできない方

    「モテるコンサルティング戦略」は強力なケーススタディ
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: この本がスゴい2006

    今年は沢山の収穫があった。 自力で見つけた作品よりも、他力―― このblogが縁で知ったのほうが、はるかにスゴいものだった。コメントやトラックバックを通じてオススメしていただいた方、はてなの質問に回答していただいた方、わたしのエントリにケチつけたついでに「○○も読んでないくせに」と嘯いた方―― 皆さまに感謝、感謝。 そんな中でも選りすぐりを10選んだぞ。どれも自信を持ってオススメするが、「劇薬小説」だけは覚悟完了の上でどうぞ。これからも、「自分にとって高品質の情報を得るためには、自分から発信すること」を実現する場として、ここを使っていきたいですな。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 徹夜小説:あなたの健康を損なうおそれがありますので読みすぎに注意しましょう ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 大聖堂(ケン・フォレッ

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: この本がスゴい2006
  • 1