「表向きはこう説明されているけれど、実は…」。こんな風に切り出されると、誰しも話に引きつけられるだろう。さらに言えば、その「実は…」の内容が意表を突けばつくほど面白いし、逆に信じたくなるのも心理なのかもしれない。仕事柄、「実は…」に振り回されたことは何度もある。しかし、このごろ気になるのは、なんの疑いもなく「実は…」を信じる人が増えていることだ。 「大津市のいじめ自殺は、実は他殺なんでしょう。マスコミはなぜ報じないのですか」 8月末、次代を担う人材育成を目指した「産経適塾」の講座を受講した参加者たちとの懇談会の席上で、1人の男子学生から真顔でこんな質問が投げかけられた。大津で中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題はインターネットでも、真偽不明のさまざまな情報が流れている。“他殺説”もそのひとつなのだが、もちろんそれを裏付けるような根拠があるわけではないようで、「ネットでみんながいって