先日父親から『ドキュメント東京電力企画室』という1981年に出版された古い文庫本を借りた。田原総一朗による日本の電力の歴史をひも解くドキュメンタリーで、戦前から続く通産省対電力会社の主導権争い、その争いの中で日本の原子力発電がどのような歴史を辿ってきたかが描かれており、日本の電力業界の問題の核心にせまるための視点を多く提供してくれる。30年以上も前の本ではあるが、丹念な取材な基づいた臨場感あふれる描写は古さを一切感じさせない。原書は既に絶版になっており、アマゾンのマーケットプレイスでは3900円という驚愕の高値をつけている。だが、心配するなかれ。今回の事件を受け、『ドキュメント東京電力 福島原発誕生の内幕』という時世を反映したタイトルで復刻されているのを本屋で発見。筆者による「はじめに なぜ福島原発事故がおきたのか」という前書きが追加されている点と佐高信による「解説」が割愛されている以外は