県の新規採用職員への訓示内容が「差別的だ」という批判を浴び、静岡県の川勝平太知事が10日にも辞職届を提出する方針だ。川勝知事はこれまで、リニア中央新幹線静岡工区の工事着工に立ちはだかってきただけに、辞任を受け情勢の好転を期待する声が上がった。後任を決める知事選には、元総務省官僚で同県の副知事を務めた大村慎一氏が出馬を表明したほか、前浜松市長の鈴木康友氏も出馬に前向きだという。しかし、情勢は不透明で流動的だ。 川勝知事退場でも早期着工は不可能リニア問題については「石の一つが取り除かれた」(原勉・飯田商工会議所会頭)と期待を寄せる声もある。しかし、先行きに懸念を示す意見が大勢だ。 その背景には、大きく3つの理由がある。 リニア中央新幹線の作業用トンネルの掘削現場=令和3年5月、山梨県早川町1つは調査や工事期間などの短縮が難しいという点だ。3月29日に開かれた国土交通省の第三者委員会で、JR東海