2014年最後の日、今年も電王戦リベンジマッチが行われた。今回はこれまでとは少し異なるルールによって、ベテラン森下九段がツツカナと戦った。 森下九段はタイトル戦に何度も登場しA級にも在籍していた一流棋士だが、現在はトップ戦線にいるとは言えない。将棋ソフトがトッププロに迫っていると言われている現状では、森下九段の苦戦は電王戦本選の時から予想されていたと思う。 とはいえ前回の団体戦における対局も、森下九段に十分チャンスのある内容だった。非常に細かいやり取りがあった後、端に香車を成った手が悪手となった。取られそうな香車を相手玉近くの金にするので、十分理屈は通った手だと思ったが、その局面においてはさほど利いていなかったようである。終盤に近づいてくると、ソフトは正確に「見切って」くる。 しかし、負けても森下九段は手ごたえを感じたようで、もう少し考える時間があり、考えるための盤駒があれば勝機は十分ある