人工知能(AI)は、翻訳や将棋、音声認識などすでに多くの分野で活躍していますが、歴史に残る大作曲家の知能に近づこうとする研究が進んでいます。パリのソニー・コンピューターサイエインス研究所に所属するGaëtan Hadjeres氏と François Pachet氏2人の研究員が、人工知能による音楽生成の研究を行なっています。彼らが研究しているのは、バッハが作ったコラール(合唱曲)のような音楽を人工知能が生み出せるのかというもの。この研究のために音楽ソフト「FlowMachines」を使いバッハの理念に基づいた作曲を行う“Deep Bach”(ディープバッハ)を開発しました。AIがバッハに近づくことの難しさバッハは18世紀のドイツに生まれたバロック音楽の作曲家で、合唱曲「マタイ受難曲」や「平均律クラヴィーア」などを世に生み出しました。いわゆるクラシック音楽と呼ばれるものの基礎を築いたのはバッ