「外交と安保政策は政治家でなければできない」 政治家として成し遂げた一番の功績は、何といっても日米安保条約の改定です。吉田茂内閣がサンフランシスコ講和条約と同時に結んだ旧安保条約は、米国の日本に対する防衛義務もなく、両方が合意しなければ廃棄できない。もちろん日米地位協定もない。極めて不公平だと考えたのは、政治家として当然です。 私の父は岸内閣の首相秘書官のとき、岸に「元経済官僚だから、首相として経済政策に挑戦したら」と言いました。次の池田勇人内閣で本格化する所得倍増政策も事実上、岸政権の下で始まっていましたが、岸は「経済政策は役人でもできるが、外交と安保政策は政治家でなければできない」と判断する。これがその後、日本が繁栄の道を進む上で大きな決断となりました。 日米は保護国的な同盟関係ではなく、明確に同盟国になった。安保改定にあれだけ大きな反対運動が起きたのは、多くの国民が、ほとんど旧安保条
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