11月中旬の週末。大通り沿いにあるサトーカメラの宇都宮本店を訪ねると、50台以上収容スペースがある駐車場は、ほぼ満車状態だった。地元、「宇都宮」ナンバーの車がずらりと並ぶ。 普通の繁盛店。それが店に入っての第一印象だ。手書きのPOP(店頭販促)が至る所に掲げられ、柱やテーブルなどもマスキングテープやシールでにぎやかに装飾。店内には、子連れ客のために遊び場も設置され、親の買い物を待つ子供たちの歓声が響く。が、よく店内を見回すと、不思議な光景が目に飛び込んでくる。ずらりとソファが並び、多くの顧客が店員と横に並んで座り、延々話し込んでいるのだ。 客層は様々。老夫婦がこれから買うデジタルカメラの基本操作をひたすら質問している席あり、カメラ初心者が覚えたての専門用語を交えながら写真談義に花を咲かせている席あり。共通するのは、いずれの席も、接客時間が長いことだ。 5分、10分、30分…。老夫婦は被写体