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ブックマーク / gitanez.seesaa.net (36)

  • 解釈を代行するのが道具: DESIGN IT! w/LOVE

    コップを使うことは、水をいかに飲むべきか、飲むとはどういうことか、といった解釈を行為自体が代行する。「人工物を利用するものは、自ら改めていちいち問題解決に取り組む必要はなく、問題解決に必要な知的活動をそれらの人工物にゆだねてしまうことができる」(村田純一、前掲書)のだから、道具は、人間の解釈の柔軟性を奪いかねない。 「人間がおこなわなければならない解釈を代行するのが道具」だとしたら、そこにはすでにマニュアル人間化の方向性が含まれています。道具を用いることで人間は「問題解決に必要な知的活動をそれらの人工物にゆだねてしまう」というのは、まさに自分で考えて行動をすることなくマニュアルどおりでしか行動できないことへの道を開いているともいえます。 ここに、ものづくりをする人、文章を書く人、その他さまざまな形で他人にソリューションを提供する人の倫理観が求められる地点があるのではないでしょうか。 道具化

  • 情報摂取の場・過程・作法をみなおす: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 すこし前に書いた「テキスト情報過多の時代に人は何を感じるか」というエントリーに、べええさんがトラックバックをくれました。 この変化には、以下の2点が看過できない点だと考えました。 1つ目に、アナログ情報をデジタル化したときに情報落ちが発生します。デジタル化が進めば進むほど、欠落する情報が多くなる事実があると考えています。 2つ目に、情報過多の現代では、アテンションの方に重点が移っており、情報自体の価値がおざなりになっている事実があると考えています。 僕は先のエントリーで「テキスト化された情報に接する比率が増え、まわりの環境も自然物よりも機械化、デジタル化されたものの比率が増えているいまの環境では、そうした自分自身の感覚の変化によって情報が変化したり、また対象物のほうも静止す

  • 道具の用途は生活や仕事のなかに埋め込まれている: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 多くの製品は生活や仕事で使われる道具です。 生活や仕事のうえで様々な役割(母親、プロジェクトリーダー、飲み会の幹事、etc.)を担う人びとが、それぞれの役割に応じた作業・仕事を行うために用いるものが道具です。 ある意味、人間は生活の場、仕事の場で、特定の役割を担うことで社会的な生き物として存在を認められます(つまり赤の他人にも理解できるようになる)。それぞれの役割には、役割に応じた作業が義務付けられています。その義務をこなすことができなければ、場合によっては、その役割としては失格の烙印をおされかねません。 失格の烙印をまぬがれるためにも、自分に与えられた役割を全うするためにも、人は自分に割り当てられた作業を完遂できるよう、作業のある部分を道具にたよるのです。 ですから、道具

  • 江戸はネットワーク/田中優子: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 「名と自由」や「「連」という創造のシステムを夢想する」でもすでに紹介している田中優子さんの『江戸はネットワーク』。 第1章 人びとで賑わう第2章 遊女は慈悲に生きる第3章 連に集う者 の3つの章で構成される書は、第1章では昨日の「「連」という創造のシステムを夢想する」でも取り上げた江戸期(特に平賀源内や大田南畝が活躍した天明期)の連の場や江戸の市場を取り上げ、3章ではその連で中心的な役割を果たした山東京伝や蔦谷重三郎、平賀源内を大田南畝などを個別に取り上げる。あいだにはさまった2章では、遊郭、遊女と江戸期の男女関係や家の問題を扱っています。 今日は、この2章にすこし触れながら「社会における生産の単位」について考えることで書の紹介とさせてもらおうと思っています。 家族とい

  • まずはテーブルに載せてみなけりゃはじまらない!: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 仕事をしていてよく思うこと。 どうして議論をはじめる前に、手持ちの事実すべてをテーブルの前に開示してみることからはじめようとしないのか? とにかく事実を見ないで仕事をはじめようとすることが多すぎる気がします。どうして自分の頭のなかにあるものをいったん外に出して、まわりと共有することからはじめようとしないのでしょう。自分の頭のなかは他人のそれとおなじだと思っているのでしょうか。自分が「赤」だといえば、それを他人もおなじように「赤」だと感じてくれると思っているのでしょうか。 議論の箱、そして、問題解決のボックスに入れるべき事実が目の前に提示されていなければ、どういう箱をデザインしていいか、そもそも箱のデザインのための議論をどういう方向にデザインしていいかもわからないはずです。僕

  • 17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義/松岡正剛: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 あー、このが売れてる理由がよくわかりました。屋でたまに見かけて、なんでずっと平置きされてるんだろ?とかなんとなく思ってたんですけど、読んでみて理由がわかりました。 松岡さんのでは一番読みやすく、かつ松岡さんが他ので言っていることがわりと集約されてるんですね、この。 この、買ったのは結構前なんです。この続編にあたる『誰も知らない 世界と日のまちがい』を読んだのが今年のはじめ。それを読み終わるかどうかという時期にこのも買っていたはずなんですね。でも、買っただけでなんとなく読まなかったんですけど。 それがこのあいだ、『山水思想』を読んでみて続けて、松岡さんのを読みたいなと思い、読みはじめたんです。 このは帝塚山学院大学・人間文化学部向けに行われた講義を再編集し

  • 組織の創造性を向上する技法: DESIGN IT! w/LOVE

    いま1つ自分の課題だなと思っているのが、チームやプロジェクトメンバー間での創造力をいかに高めるかということ。 というのも、自分たちのサービス基準として何より「価値創造的であること」を重視したいと思うから。 以前にもチームワークやコラボレーションについては、こんなエントリーを書いてますが、このあたりをいかに創造性の向上につなげていけるかというのが課題だと感じています。 サッカーチームに学ぶ5つのチームワークの鍵未来を切り開く力としてのチームワーク組織の勝負は個の能力ではなくバトン・パスで決まる。 もちろん、個人のスキルアップ、知識の向上は大事だと思いますが、創造力を発揮するには、やはり組織力だと思うんですね。 ただし、それには組織として創造力を発揮するための技法をきちんと身につけなければいけないと思います。 創造力とはもともとそこにあるものではなく、鍛えて手にするものだから。 ブレインストー

  • 客のつくりたいものじゃなく、自分たちがつくりたいものをつくる: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 昨日、あるおっちゃん(親しみをこめてこう表記させてもらいました)が言ってました。 「客のつくりたいものじゃなく、自分たちがつくりたいものをつくる」 かっこええな。そう感じました。あのおっちゃんのああいうストレートな信念大好きです。 もちろん、それは客の要求を聞かないということではありません。客の求める要求を満たしながら最適なものを提案するということ。解決すべきビジネス問題は客から受け取りつつも、具体的な解決策としてのデザインはあくまでこちら側から提供するという姿勢。これが正しい作り手の姿勢かなと思いました。 「なんでもかんでもユーザーに聞けばよいってわけじゃない。」というエントリーでも書きましたが、「ユーザー中心のデザインだろうとなんだろうと、最初に自分たちがつくりあげたい

    suzukishika
    suzukishika 2008/03/13
    客の求める要求を満たしながら最適なものを提案するということ。解決すべきビジネス問題は客から受け取りつつも、具体的な解決策としてのデザインはあくまでこちら側から提供するという姿勢
  • 企画設計=デザインとは: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 結局のところ、企画設計=デザインとは、 与えられた問題あるいは自ら発見した問題を明確に定義しその問題を下位問題に分解し要素間の関係性を把握することで解決するべき問題全体を理解した上でさらには下位問題の各要素について理解を深めるためのデータ収集を行うことで下位問題のそれぞれに解決案を見つけつつ個々の解決案を最終的に統合する解決のコンセプトを探りそのコンセプトが見つかったら今度は実現に向けた素材や技術の検討や実現性の検討やコンセプトの検証のためのプロトタイピングとユーザーによるデザイン評価を行うことで最終的な設計案=解決を導き出す という一連のプロセスにほかなりません。 まっ、これが創造性の基盤となるプロセスです。 もちろん、これがあれば「創造的な仕事」ができるようになるわけじ

  • 「創造的な仕事」に求められる7つの作法: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 1つ前に「クリエイティブな仕事とは?その方法とは?」なんてエントリーも書きましたが、どうやら世の中では「創造的な仕事」というのが大きく誤解されている印象をもちました。 でも、世の中で考えられているようなイメージは、実際の「創造的な仕事」とは大きくかけ離れていると思います。 それをちょっとでも感じていただくために、「創造的な仕事」に求められる7つの作法をまとめてみたいと思います。 まぁ、どれだけ世の中でイメージされているものと実際の「創造的な仕事」がかけ離れているかを見ていただくためにも最初に7つの作法をリストアップしておきましょう。 ひとりで考えない手を動かしアウトプットする議事録を書く計画を立てて行動するリズムをつくる=習慣化するを読む何度も検証しコンセプトを壊す どう

    suzukishika
    suzukishika 2007/12/13
    「議事録を書く」!/本当の議事録のメリットはそれが創造的な仕事を支援するという点にあるのです。
  • クリエイティブな仕事とは?その方法とは?:DESIGN IT! w/LOVE

    それって当に「クリエィティビティが要求される仕事」のやり方なんでしょうか? 私などは、机に座っていて、PCの前に考えている時は、なかなか「クリエィティビティが要求される仕事」ができません。「真面目に仕事をしている時間」は、上記4つで生まれてきたアイデアを、最終的にまとめる作業、形にする作業をを行っているにしかすぎません。 アイデアを出すことと仕事の創造力を混同していませんか? 確かにアイデアを出すのに、机に座ってPCの前で考えるという環境は向いていないと思います。僕もアイデアが生まれるのは、慣れ親しんだ道を歩いているときやトイレに行ったときなどです。 「机の前に座ってやることばかりが仕事じゃない」というのはもっともなのですが、ただし、アイデアを出すのは決してクリエイティブな仕事ではありません。アイデアを出すのは単にクリエイティブな仕事のほんのごく一部でしかありません。 これまでになかった

    suzukishika
    suzukishika 2007/12/12
    それは単にそれっぽいアイデアを出すこととは違います。これまでなかったものを実際に世の中に提供できるよう、数々の困難も乗り越えながら形にするこそが創造力です。
  • ファンタジア/ブルーノ・ムナーリ: DESIGN IT! w/LOVE

    いやー、創造力とは何か、どうすればそれを高めることができるかということを考える上では、すごく参考になるでした。 無知こそが最大の自由を与えると信じるのは絶対に間違っている。むしろ、知識こそが自己表現の手段を完全に操る手段を与えるのだ。 ブルーノ・ムナーリ(Bruno Munari、1907-1998)は、イタリアの美術家で、グラフィック・デザイナー、プロダクト・デザイナーであり、また、美術教育者であり絵作家です。 このでムナーリは、創造力って何? それはどうすれば自由に働かせ扱えるようになるの? ということを考え、そのヒントを用意してくれています。 創造力のメカニズムまず、ムナーリは人びとが外界を認識し記憶した上でどのように創造力を発揮して再度外界に働きかけるかのメカニズムを以下のような図で表現しています。 創造性においてどれだけ過去の記憶が重要なのかという点に関しては、ムナーリもさ

    suzukishika
    suzukishika 2007/12/07
    保存されるべきものは、モノではない。むしろそのやり方であり、企画を立てる方法であり、出くわす問題に応じて再びやり直すことを可能にさせる柔軟な経験値である/可能なかぎり多くのデータを子供に記憶させるべき
  • 僕らがユーザーテストをする理由: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 どうして世の中のデザインの現場では、ユーザーテストをやらずに開発者側の閉じた発想だけでデザインを完結しようとするんですかね? 前回の「ユーザーテストで作り手の思いこみ=デザインを破壊する」では、「ユーザーテストは作り手の思いこみ=デザインを壊すための手法」であり、「ユーザーの好みを知り、ユーザーの期待を知り、ユーザーの喜びを知るための手法」であると書きました。ユーザーテストをやらないデザイン・チームはまさに、ユーザーの好みや期待や喜びには関心がないんでしょうか。 また、ユーザテストは「互いに隔離されていたユーザーとデザイナーがユーザーテストを通じてコミュニケーションをとる」ためのツールであるとも書いていますが、ユーザーとコミュニケーションをとるのがイヤなんですかね。だとした

    suzukishika
    suzukishika 2007/12/03
    ユーザーに自分たちがつくったデザインを触ってもらえばいいのです。大事なのは手法じゃなくて、ユーザーとの出会い、コミュニケーションの機会をどれだけ増やせるかってことですから。
  • ユーザーを知るための調査を行う際の5つの鉄則: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 自分の可能性を究めたいならグズグズしてないで、旅に出ろ、と思います。 すでに述べたように、『旅』は、"わたしさがしの旅"であるとともに"大衆演劇という世界への旅"であった。この2つの"旅"は、自分を安全な場所にかくまったままで行えるものではない。常に「いま、ここ」で自分を危うさにさらし、大衆演劇の「もう一人のメンバー」に「なろうとし続けること」で初めて可能になるものであった。 「リサーチ・マインド:みがき・きわめる・こころ」で書いたこととも関連するのですが、自分の可能性なんて実は自分の内側にあるのではなく、むしろ、自分の外にしかないと僕は思っています。外の世界と向き合うことで、自分のなかになかった何かを発見してはじめて自分の可能性というものは広がるのだと思う。ようは個人の可

    suzukishika
    suzukishika 2007/11/25
    アンケート調査でユーザーを知ろうとしてはいけない/ユーザーに意見を聞いてはいけない/ 誰が調査してもおなじだと思ってはいけない/調査したなら何としでもそれを次につなげようと行動しないといけない
  • ペルソナを使ってWebデザインの評価を行う: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 あまりアクセス数が多くないサイトに関して、コンテキスチュアル・インクワイアリーなどの手法を使ってユーザー調査を行いたい場合、どうしてもネックになってくるのがそのサイトを普段使っている人を調査にリクルートすることがむずかしいという点です。 いや、Webサイトのデザイン評価を行おうとする際には、よほど知名度があり、アクセス数も多く、かつリピート利用がされるサイトでなければ、普段の利用状況の把握するためのコンテキスチュアル・インクワイアリーによる調査を行うための対象者はまず集めることができないといってよいでしょう。 もちろん、その場合でも類似のサイトを含めて、ユーザーがどのようにサイトを利用するのかを調べることはできます。しかし、そうしたユーザーによる特定のサイトのデザイン評価=

  • 良質のインプットは時間をかけることなく即座に昇華にいたる: DESIGN IT! w/LOVE

    使える時間は決まっています。ゆえに確保できる時間にも限界がある。 インプットにこだわるべきというのは同意するけど、早くスタートを切れるようなタネまでの距離はインプットだけでは全然埋まらない。むしろ、インプットを昇華するための時間を意識的に確保する方が遥かに重要では。 もちろん、ある程度、考える=昇華する時間を確保することは大事だけど、もっと大事なのは限られた時間のなかでより多くのアイデアの創発を起こすことではないか、と。それが他人より早くスタートを切るための秘訣だと思うのです。 より多くの経験を有していることで、より多くのセレンディピティが生まれやすくなるなんでインプットにこだわり、経験の量を増やすことが、他人より早くスタートを切るための秘訣になるのか。 ここでのキーワードは創発です。 より多くの経験をもつ者ほど、新しい経験から何かを発見する確率が高まるのだと思うのです。金持ちほど裕福にな

    suzukishika
    suzukishika 2007/11/05
    インプットを得るきっかけは雑多でいい。誰かに紹介されたからとか、単に流行っているからでも。気になったものはインプットしてみたほうがいいと思います。よいかわるいかはインプットしてから決めればいい。
  • 自分の仕事をつくる/西村佳哲: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 とても面白いだったので、さらっと読み終えてしまいました。 モノづくりと仕事の仕方の関係を見つめなおす上では、非常に参考になる一冊だったと思います。 西村佳哲さんの『自分の仕事をつくる』は、著者がIDEOや象設計集団、柳宗理、パダゴニアなどのモノづくりの仕事の現場を訪ね歩き、聞いた話を元に、さまざまな働き方とそこから生まれる結果、そして、他人に与えられる仕事ではなく「自分の仕事」をつくるとはどういうことかを考察したエッセイです。 観察する力、身体を使った表現おもしろいと感じ、参考になる部分が多すぎて、とても全部は紹介し切れませんが、その中でもいくつか気になったところをピックアップしておきます。 まず、サンフランシスコにデザインオフィスをかまえる八木保さんのインタビューより。

  • コンテキスチュアル・インクワイアリーでメモをとるコツ: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 先日も「フィールドノート:観察・経験の記録法」というエントリーで紹介しましたが、いま『方法としてのフィールドノート―現地取材から物語作成まで』というを読んでいます。 人間中心設計プロセスの「ユーザーの利用状況の把握と明示」の段階で行うユーザー調査に、フィールドワークの技法、そして、その記述法であるエスノグラフィにおけるフィールドノーツの書き方を参考にしようと思って読んでいます。 コンテキスチュアル・インクワイアリー法におけるシナリオの作成先日、MarkeZineの「「デザイン思考」の核となる「ペルソナ/シナリオ」のつくり方」という記事で、コンテキスチュアル・インクワイアリー法を用いたユーザー行動調査から、調査データを元にしたペルソナ/シナリオ法を用いたデザイン・アプローチ

  • 本棚の歴史/ヘンリー・ペトロスキー: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 『失敗学―デザイン工学のパラドクス』に続いて、ヘンリー・ペトロスキーの『棚の歴史』を読みました。 という主役の背後に隠れて見落とされがちな、縁の下(の下?)の力持ちである棚の歴史的な進化を追った一冊です。棚との共進化、そして、それらを収める図書館などの建物の進化を「パピルスから作られた巻物」の時代から現代まで綴ったです。 棚の話はの話なくして語ることはできない。が巻物からコデックス[冊子]、印刷へと進化していった過程とからめて眺める必要がある。棚は二十一世紀には無用の長物となる秘伝ではない。これらは文明の基資料の一部であり、現在における科学技術の発展をよりよく理解し、未来図を描く手段となる。未来は、私たちが期待しがちな姿よりもっと現在や過去に

  • つまらない日常のなかに何かを見つけるスキル: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 コンテキスチュアル・インクワイアリーを使ったユーザー調査でもユーザビリティテストでも、実際を記録した映像は、あとから見ると結構つまらないものだったりします。特に自分がその場を共有しなかった映像に関しては、はっきり言って見るのも退屈で、それを見てなきゃダメと言われたらちょっと苦痛。 それとは逆に、自分がインタビューアや記録係として実査に参加している場合は、むしろ、一回の実査があっという間に終わってしまうという感覚です。一日何回か実査をやると異常に疲れるので、そもそも集中力が違うということもありますが、それでも時間が流れるのがすごく早く感じるのは確か。単なる記録映像を見ているのとは大違いです。 そのギャップこそがコンテキストを共有できてるかどうかの差なんですよね。 ユーザー調査