需給に応じて価格を変動させるダイナミックプライシング。これまでもエアラインやホテルでは採用されてきたが、近年、新たに導入する業界や企業が相次いでいる。背景にあるのが、AI(人工知能)による需要予測と“時価”の算出。先行する米国と同様、ダイナミックプライシングは日本でも普及するのか。企業の思惑と消費者のニーズは合致するのか──。導入へと駒を進める企業や有識者の見解などから、その成否を占う。 自由席を3倍値上げ 19年は「価格変動制」の波が各業界を襲う 繁閑差に合わせて価格を上げ下げするダイナミックプライシング。エアラインやホテルでは既に一般化しているが、この仕組みを新たに導入する企業や業界が増え始めている。米国ではスポーツやコンサート、食品スーパーにも浸透。この波は日本にも及ぶのか。ダイナミックプライシングの成否を探る特集の第1回は、2019年シーズンで全面導入を決めたJ1リーグ横浜F・マリ