「フェミニストとしてすすめる、フェミニズムに関心を持つための5作品」シリーズで、「フェミニストとしてすすめる、フェミニズムに関心を持つための本5冊(1)物語・ノンフィクション編」だけでは物足りないのでもっと文学作品だけ選んでみてほしいという要望があったため、今日は文学作品でおすすめのものを5本、選んでみようと思う。前回選んだ作家の本は基本的に選ばないことにする。 ・アン・ブロンテ『ワイルドフェル・ホールの住人』(The Tenant of Wildfell Hall, 1848) アン・ブロンテは姉のシャーロットとエミリーの影に隠れた地味な作家だが、代表作『ワイルドフェル・ホールの住人』は昼メロみたいな起伏があってかなり面白く、かつ執筆当時のちょっとした過ちで女性がどんどん不幸になってしまうような社会のあり方を鋭く批判した作品である(以下ネタバレ注意)。ヒロインのヘレンは世間知らずな若い時