最高温度はあるか?(もともと「後編」だったものを改題) さてこの話の前編にあたる「温度とは何ぞや?」では、 エネルギーをエントロピーで微分したもの(∂E/∂S)が温度である。 が統計力学的な温度の定義だよ、ということを書いた。実際の計算では、「エントロピーをエネルギーで微分したもの(∂S/∂E)が温度の逆数である」の方が使いやすい。あるいはさらに砕くと、「状態数をエネルギーで微分したもの(∂W/∂E)をWで割ってボルツマン定数kをかけたものが温度の逆数である」となる。その心は、「状態数が多いものが実現する」というところにあり、「状態数が最大になる」ということが「等温状態になる」ということと同じであった。図で書くならば と表現できる。さて、この定義は1/2mv^2=3/2kTという定義と同じになるだろうか。そのために状態数を数えてみる。ここで、1/2mv^2と書いたv^2は実は (v_x)^