社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 濱口先生から『働く女子の運命』をお送りいただきました。ありがとうございます。あとがきを読むと、他の3部作に比べると、うーん、という感じかな。日本型雇用を補助線に引くということに付加価値を置いて欲しいという「願い」なんですが、やっぱりそれだけじゃダメだと思うんですよね。 わざわざマルクス主義とか、マルクス経済学を引き合いに出すなら、やはり低賃金論だと思うんですよ。昔の講座派という、もともとは共産党親派の人たちがいて、彼らは日本資本主義の構造として半封建性を指摘していました。その具体的な位相が年功制であり、低賃金だったのです。そこでは中小企業の低賃金に加え、大企業の年功賃金では若年層が低賃金に抑えられていることが問題でした。この構図は大きく転換