世界中でスマートフォン(スマホ)の配車アプリによるハイヤーの利用が広がり、客を奪われた既存のタクシーとのあつれきが強まっている。中でも、客が一気に配車アプリのハイヤーに流れ、各地で混乱が起きているのが中国だ。タクシーのサービスへの不満がもともと強いことが背景にある。 多くが自家用車で参入 河南省鄭州市で5月下旬、タクシー運転手が、配車アプリを使うハイヤーの窓ガラスを割る事件が起きた。運転手仲間によると、タクシーが道端にいた客を見つけて「どこまでですか」と声をかけたところ、「隣のハイヤーに乗るからいいです」と断られ、ハイヤーに対して逆上したという。仲間が加勢し、大通りは騒然となった。 運転手仲間は「車を壊したのは悪いけど、ずっと空車で走っていて、やっと見つけた客を奪われた気持ちになるのもわかる」と同情する。天津市でも同月、何らかのトラブルにより、タクシーとハイヤーが路上でにらみあう騒動が起き
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