■ 雪斎は、大学の授業でTBS制作のテレビ・ドラマ『関ヶ原』(原作/司馬遼太郎)のDVDを学生に鑑賞させている。印象深いのは、西軍の敗勢が決まった後で大友柳太郎さん演じる島津義弘が「すてかまりの戦法」の選択を決断する場面である。 義弘 「敵中ば突破する」。 豊久 「て、敵中ば突破!?」。 義弘 「そいに決めた。そいしかなかっ」。 島津勢の「すてかまりの戦法」は、後の薩摩・島津家の存続の裏付けとなった。徳川幕府は、島津家を取り潰そうとした折に支払わなければならない「代償」の大きさを予感したのである。0 昨日のエントリーで紹介した五百旗頭眞先生の著書『日米戦争と戦後日本』では、サイパンや硫黄島のような中部太平洋諸島、さらには沖縄での戦闘は、この「すてかまりの戦法」の効果を持ったことが説明されている。これらの戦闘では、米軍将兵の損失が以前の戦闘よりも大きくなっていて、米国政府は、日本本土進攻作戦
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