春の訪れとともに新型コロナウイルス感染は落ち着きを見せています。しかし、昨年来の第7波と第8波では感染者数は急激に増加し、累積で3300万人以上が罹患したと報告されています。既に人口の26.5%、即ち4人に1人が新型コロナに罹患したことになります。 しかし、感染していても症状が現れず医療機関を受診しない人(不顕性感染)などがいるため、本当の感染率はもっと高率であると推測されますが、その値は明らかではありません。今回、当院の職員に対して、新型コロナウイルスの感染歴を示す血液中のN抗体を測定し、N抗体保有率(N抗体を持っている人の割合)から本当の感染率を推定しました。 <N抗体って何?> 新型コロナウイルス感染では、S抗体、N抗体と呼ばれる 2 種類の抗体が出現します。 S抗体は、新型コロナウイルス感染のみならず、ワクチン接種でも産生される抗体で、ウイルス表面にあるスパイクタンパクに対する抗体