ゲーデル入門のつもりで読んだが、「数」の恐ろしさを思い知ると同時に、確かだと思い込んでたリアルがゆらぐ。急に足元が消えたような感覚にとらわれる。そのへんのミステリよりも背すじが寒くなる。 8章まで面白く読める。聞き手の「おっさん」が程よく分かっていないので、絶妙の質問をしてくる。まるでわたしの代わりのようだ。おかげで、「わからない」から「わかる」快感をたっぷり味わう。 興味深いのは、「わかった」とするときの居心地悪さ。アタマでは分かっても、腹に落ちない「だまされているような感覚」がつきまとう。例えば、 「1= 0.999…」について、ありがちな説明として、 1 = 1 両辺を3で割る。左辺は分数、右辺は小数で表現すると、 1/3 = 0.333… 両辺に3をかけると、 1 = 0.999… 聞き手の「おっさん」は、これがうさんくさい、という。 つまり、0.99999999999999999
2007年03月05日05:00 カテゴリ書評/画評/品評Math 書評 - 数学入門 以前書評を予告しながらまだ書評していなかったのだけれど、「文化としての数学」(これまた光文社新書)も復刻されたので年貢をおさめておきたく。 数学入門 遠山啓 404 Blog Not Found:急がば微積本書は、遠山啓の「数学入門」(上下)あたりと一緒に読むことをお薦めする。そう。この「数学入門」も書評の対象なのだけど、体調不如意につき今晩はこれまで。 本書「数学入門」は、タイトルどおりの本。岩波新書でこういう直球のタイトルがついたものはまず外れがないのだけど、その中でも傑作中の傑作がこれ。なにしろ私が生まれる10年前に出版されて、それが未だに元のまま、遠山啓が亡くなった今も版を重ね、Amazonでも「在庫あり」なのだ。 中学を登校拒否している間、本書が私にとっての数学教師だった。だから本書が21世紀
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