セブン銀の設立は2001年。今年で15年がたったが、預金残高は6000億円に満たない。地方銀行で言えば下位クラスの規模だ。支店はゼロ。有人拠点は東京・大手町の本社と、出張所が7つあるだけ。それでも「あのビジネスモデルは本当にすごい。我々には絶対にまねできない」と国内屈指の大手銀行首脳が舌を巻く。なぜか。 一般的な銀行の基本的な収益モデルは、個人や法人から預金を集め、それを原資に企業向けの貸し出しや住宅ローン、有価証券の運用などに振り向けるもので、預金規模や支店数が収益力を左右する。しかしセブン銀は違う。消費者がATMを利用する際に支払う手数料が収益源だ。 例えば、平日昼にセブンイレブン店内にあるATMで、買い物客がメガバンクのキャッシュカードを使ってお金を引き出したとする。手数料108円はいったんメガバンクに入るが、そのうち一部がセブン銀に支払われる仕組みだ。 2016年3月期の経常収益(