第2次安倍政権では、政策決定や各省庁の幹部人事で「官邸主導」が強まっている。 特に、幹部人事には安倍首相の意向が色濃く反映している。 防衛省では、通常国会半ばの3月に、民主党との距離が近いとされた金沢博範次官(当時)が交代した。外務省でも、河相周夫次官が就任1年に満たない異例の短期間で退任するが、河相氏も民主党の野田政権で官房副長官補を務めていた。 後任の外務次官となる斎木昭隆外務審議官は、日本人拉致問題などで首相と緊密に連携をとってきた。政権発足後、首相と「1対1」で面会した官僚を調べると、斎木氏は11回で河相氏の4回を大きく上回っている。 また、安倍政権は成長戦略の柱に「女性の活躍」を掲げた。これを受け、厚生労働次官には村木厚子社会・援護局長が起用される。旧労働省系の次官が2代続くことになり、厚労省にとって異例の人事だが、省内では「幹部人事は完全な政治主導で仕方ない」との声が上がってい