→紀伊國屋書店で購入 「中世に魅せられて」 中世史家ジャック・ル=ゴフの「専門家以外の一般読者をも対象とする……ほぼ初めての邦訳書」(p.306, 訳者解説)であるが、インタビュー形式で、ル=ゴフが自分のそれまでの生涯を振り返りながら、仕事について語るものとなっている。この分野になじみのない読者には近付きやすいかもしれないが、タイトルで言うような「中世とは何か」が、そのまま語られているわけではないので注意されたい。 プルーストにならった「中世を求めて」の原題のほうが、著者が中世に魅惑されて、中世史家になり、研究を続けてきた歴史を物語る本書のタイトルとしてはふさわしかったかもしれない。ル=ゴフが中世の研究を始めた頃は、中世は暗黒の世界であるか、理想的な世界であるかのどちからであった。最初は著者はそうした現状に直面して、中世の研究を諦めかけたという。しかしアナール派の歴史家と出会って、「新しい
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