だが、よく見てみると店の看板には「チャーハン餃子専家」と、その意気込みが書いてある。うむ。その心意気やよし。準チャーハン店と捉えることにしよう。 店が前にいた会社の近所だったので、元同僚のアベさんを呼び出し、付き合ってもらうことにした。 「へえー、こんなところに、こんな店あったんだね」とアベさん。 ―― そうなんですよー、私も初めて知ったんですけど、なかなかいい感じですね。ところでどうですか、アベさんはチャーハン好きですか。 「うーん。特に好きでも嫌いでもないなー。女の人でチャーハンが好きって人、あんまり聞かなくない? ラーメンとか焼肉が好き、っていうアイドルはたまにいるけどさ。どっちかっていうと、男の人の方が好きなんじゃないの? そういえば高瀬さんは、昼に大盛りのチャーハン、よく食べに行ってたよね」 ―― よくでもないです。たまにです。なんかチャーハンって、たまーに、むしょーに食べたくな