気管支ぜんそくのたんを切る武田薬品工業の消炎剤「ダーゼン」の効果を再確認する試験で、期待される効果が認められなかったことが19日、厚生労働省の医薬品再評価部会で報告された。 効かないことが確定すれば、承認取り消しの可能性もあるが、同部会はさらに検証の必要があるとして、継続審議を決めた。 ダーゼン(一般名セラペプターゼ)は1968年に承認された、医師の処方が必要な飲み薬。慢性副鼻腔(びくう)炎などの炎症抑制にも使われ、年間約67億円(2009年度)を売り上げる。 同社が00〜09年、慢性気管支炎の患者311人のうち156人にダーゼン、155人に偽薬を投与して比較したところ、いずれも6割以上の患者で症状が改善し、差がなかった。部会では、ダーゼンに似た薬も検討すべきとの意見も出た。武田薬品工業は「コメントは控えたい」としている。