エイズウイルスへの感染がわかった時点で、感染者に早期の薬物治療を行うことで、性交渉による感染がほぼ抑えられることが、世界9カ国で行われている大規模臨床試験(治験)でわかった。ワクチンの開発が難航する中、エイズ拡大に歯止めをかける可能性がある画期的成果として米国立保健研究所(NIH)が12日、発表した。 発表によると、治験は2005年からボツワナ、ブラジルなどの約1700組のカップルの協力で行われた。ウイルスに感染したカップルの一人が、検査結果が出た直後から抗ウイルス薬を飲み始めるグループと、免疫力を示す指標がある程度下がったあとに飲み始めるグループに分けて経過を観察したところ、前者は後者に比べパートナーが感染する確率が96%も下がっていた。 エイズ対策は治療よりもワクチンによる予防が重要とする立場があるほか、副作用を恐れて症状が出るまで薬を服用しない感染者もいるため、今回の結果は対策全