かつて真珠の養殖技術の研究が行われ、実際に養殖も行われていた三浦市の油壺周辺で、「三浦真珠」の復活に向けた動きが始まっている。東京大学三崎臨海実験所(同市三崎町小網代)を中心に地元小学校や漁業協同組合有志、京急油壺マリンパーク(同)が連携。同実験所内に研究所分室を置く真珠製造販売のミキモト(東京都中央区)から技術指導などの後方支援を受け、海洋教育の一環として真珠の養殖に取り組む構想だ。すでに小網代湾で養殖に使うアコヤガイの稚貝を育てており、将来的には観光など地域活性化につながる可能性も秘めている。 同実験所は真珠養殖の技術開発の舞台となった場所で、初代所長の箕作(みつくり)佳吉(かきち)とミキモト創業者の御木本幸吉が共同研究を行ったとされる。御木本が三重県を拠点に真珠養殖を産業に発展させていく一方で、同実験所でも養殖法の研究が行われていた。昭和30年代には油壺周辺の湾内で民間業者が養殖を