ブックマーク / movie.maeda-y.com (9)

  • 超映画批評『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』70点(100点満点中)

    『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』70点(100点満点中) EVANGELION:3.0 YOU CAN (NOT) REDO. 2012年/日/カラー/配給:カラー、ティ・ジョイ 総監督:庵野秀明 監督;鶴巻和哉 キャラクターデザイン;貞義行 メカニックデザイン;山下いくと アニメーションスタジオ:カラースタジオ プロデューサー:大月俊倫 声の出演:緒方恵美 林原めぐみ 宮村優子 坂真綾 奈落へと落される 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の上映館がとんでもないことになっているとのうわさを聞きつけ、さっそく見に行ってきた。 前作は新宿だったので今回は六木の状況を把握しようとヒルズの上映館を選んだが、驚くべきことに都内有数のあの巨大劇場が、平日午後1番の回だというのに半分以上埋まるという信じがたい光景を目の当たりにすることになった。 見たところ女性客は少数、男性一人客が多いようだったが

  • 超映画批評『ミスター・ノーバディ』97点(100点満点中)

    『ミスター・ノーバディ』97点(100点満点中) Mr.Nobody 2011年4月30日、ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次ロードショー 2009年/フランス、ドイツ、ベルギー、カナダ/カラー/137分/提供:アスミック・エース エンタテインメント 配給:アステア 監督・脚:ジャコ・ヴァン・ドルマル  撮影:クリストフ・ボーカルヌ  美術:シルヴィー・オリヴィエ  編集:マティアス・ヴェレス、スーザン・シプトン 出演:ジャレッド・レトー サラ・ポーリー ダイアン・クルーガー リン・ダン・ファン ≪超絶技巧の傑作、年間ベストワン候補の筆頭≫ かつてイギリスにドリアン・イエーツというボディビルチャンピオンがいた。驚異的なバルクと低頻度高強度の斬新なトレーニング理論を実践したことで、時代を変えたチャンピオンとして今でも大きな尊敬を受ける人物だ。 彼がユニークなのは、ボディビルを始めよう

  • 超映画批評『ブラック・スワン』95点(100点満点中)

    『ブラック・スワン』95点(100点満点中) Black Swan 2011年5月11日(水)より、TOHOシネマズシャンテほか全国拡大ロードショー 2010年/アメリカ/カラー/108分/配給:20世紀フォックス映画 監督:ダーレン・アロノフスキー 脚:マーク・ヘイマン、ジョン・マクラフリン、アンドレス・ハインツ 出演:ナタリー・ポートマン ヴァンサン・カッセル ミラ・キュニス バーバラ・ハーシー ウィノナ・ライダー ≪天才の誕生過程≫ 菅直人首相が浜岡原子力発電所の即時停止を命じたという。電力不足が起きるぞと原子力村民たちが早くも国民を脅し始めているようだが、もとより浜岡原発は点検にかこつけて年間200日とか300日も休んでいるぐうたら原子炉の集まりである。いまさら残る2つを止めたところで電力など不足するはずもない。 この決断には自民党議員の一部が猛反発しているが、これでは首相の思う

  • 超映画批評『GANTZ』45点(100点満点中)

    『GANTZ』45点(100点満点中) 2011年1月29日、スカラ座、渋東シネタワー他 2011年/日/カラー/131分/配給:東宝 原作:「GANTZ」奥浩哉(週刊ヤングジャンプ連載/集英社) 監督:佐藤信介 脚:渡辺雄介 出演:二宮和也 松山ケンイチ 吉高由里子 郷奏多 夏菜 ≪行ってくだちい≫ 結論から言う。『GANTZ』は奥浩哉の同名大ヒットコミックの、満を持しての実写映画化だが、相変わらずの邦画のダメっぷりが表れた残念賞である。ただし、希望はある。 就活中の大学生、玄野計(二宮和也)は、幼なじみの加藤勝(松山ケンイチ)と地下鉄のホームで偶然再会する。その後、ホームに落下した男を成り行きで助けようとした二人は、運悪く突入してきた列車にはねられてしまう。ところが次の瞬間、二人は天国ではなく、どこかのマンションの一室に"転送"されていた。 さて、その部屋にはどうやら同じようにど

  • 超映画批評『トイ・ストーリー3』95点(100点満点中)

    『トイ・ストーリー3』95点(100点満点中) Toy Story 3 2010年7月10日(土)全国ロードショー 2010年/アメリカ/カラー/110分/配給:ブエナビスタ・インターナショナル(ジャパン) 監督:リー・アンクリッチ 製作:ダーラ・K・アンダーソン 製作総指揮:ジョン・ラセター 声の出演:唐沢寿明 所ジョージ ≪おもちゃを捨てられなくなるシリーズ3≫ ピクサー製作のアニメーションは、頭ひとつ以上抜き出た脚力により、もはや10割打者といってもいいほどの傑作率を誇る。その作品群は原作ものではないオリジナルにこだわった企画ばかりだが、中でも「トイ・ストーリー」は記念すべき第一作。社のアイデンティティーといってもいい、スタッフ全員の夢を託した渾身の一だったわけだ。 この大ヒットからピクサーの快進撃は始まったのだが、その3作目となる作は、そんなわけで安直な「手堅い続編企画」のは

  • 超映画批評『涼宮ハルヒの消失』80点(100点満点中)

    『涼宮ハルヒの消失』80点(100点満点中) 2010年2月6日からロードショー 2010年/日/カラー/163分/配給:角川映画 監督:石原立也 監督:武康弘 脚:志茂文彦 脚協力:谷川流 声の出演:平野綾 杉田智和 茅原実里 後藤邑子 小野大輔 桑谷夏子 人気が出るのもよくわかる入魂の一作 ライトノベルも深夜アニメも見ない私としては、涼宮ハルヒと遭遇する機会はまずないだろうと安心していた。だから角川の編集者に、いかに熱くその魅力を目の前で語られろうとも、これまでは軽くいなすことができた。 だが映画化されるとなれば話は別だ。もう避けて通るわけには行かない。 しかし、よりにもよってインターネット上でこのタイトルについて下手なことを書けば、間違いなく批評家生命を失うことになろう。そんな恐るべきプレッシャーの中で、しかし私は命がけでこの記事を書くことに決めた。 クリスマスが近いある日。

  • 超映画批評『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』85点(100点満点中)

    『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』85点(100点満点中) Evangelion: 2.0 You Can (Not) Advance 2009年6月27日、シネマスクエアとうきゅう他にて全国公開!! 2009年/日/カラー/108分/共同配給:クロックワークス、カラー 宣伝:カラー 総監督・原作・脚:庵野秀明 主・キャラクターデザイン:貞義行 主・メカニックデザイン:山下いくと 音楽:鷺巣詩郎 監督:摩砂雪、鶴巻和哉 声の出演:緒方恵美 林原めぐみ 宮村優子 坂真綾 三石琴乃 ファンのトラウマを晴らす感動のラスト この記事を待っている方も多いようなので結論から先に言うと、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』はファン必見の出来栄え、文句なしの傑作と言える。 ユーロとロシアが管理する北極域に、新たな使徒が現れた。迎撃に当たった新型エヴァンゲリオンを駆る真希波(まきなみ)・マリ・イラストリア

  • 超映画批評『闇の子供たち』85点(100点満点中)

    『闇の子供たち』85点(100点満点中) 2008年8月2日(土)より、シネマライズほか全国順次ロードショー 2008年/日/カラー/138分/配給:ゴー・シネマ 監督・脚:阪順治 原作:梁石日 主題歌:桑田佳祐「現代東京奇譚」 出演:江口洋介、宮崎あおい、夫木聡、佐藤浩市 児童買春、臓器売買を痛烈批判する社会派の日映画 『闇の子供たち』は、「年度日映画界最大の問題作」と宣伝されているが、そのコピーに偽りはない。生半可な気持ちで見ては痛い目にあう、きわめて重い社会派ドラマである。 タイ・バンコクの支局で働く新聞記者、南部浩行(江口洋介)は、タイ闇ルートで行われている子供の生体臓器移植の取材を始める。その過程でフリーカメラマンの与田(夫木聡)、NGO職員の音羽恵子(宮崎あおい)らと出会い、協力して調べを進めていくが、その先には彼らの想像を超えたおぞましい現実と、裏社会からの制

  • 超映画批評「2006年の総括」

    『2006年の総括』 はじめに 今年も、お正月のちょいとヒマな時に書く総括の時期がやってきた。私自身の2006年といえば、それまでの年に比べてやや忙しくなり、後半はなかなか試写に出向くことさえできなくなってしまった。 そのため当ページの更新も遅れ気味となってしまったわけだが、2007年はこの点を早く改善し、扱う数、内容とも元通り以上を目指していきたい。そのための具体的な道筋も考え、すでに手は打ってあるので、徐々にサイトの内容に反映されていくだろうと考えている。 インターネットというメディア、とりわけ個人の手によるウェブサイトは、気が付いたら何の前触れもなく閉鎖されていた、なんて事が珍しくない。私も、利用していたウェブサイトが突然無くなり、大きなストレスを感じた事が何度もある。だから、少なくとも自分のところはそんな事の無いよう、責任を持って長期的に運営していこうと思う。 2006年気合の入

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