Jan 8, 2006 ★ 森達也 『悪役レスラーは笑う』 岩波新書(新刊) (23) テーマ:社会関係の書籍のレビュー(95) カテゴリ:社会 感動の一大ドキュメンタリーである。 否。著者は、テレビ局のドキュメンタリー企画として売りこんだものの、ディレクターに難色を示され作らせてもらえなかった。だから、この表現は正確ではない。しかし、これ以外、どう表現できるというのだろう。 プロレスとテレビ。 戦後、蜜月関係を取り結び、 ナショナリズムと戦後復興を支えたコンテンツとメディア。 「空手チョップ」を武器にした、<日本の希望の星 力道山>。占領国アメリカからやってきた、白人レスラーたちの悪辣なファイトに堪え忍び、最後に蹴散らすその勇姿。国民は熱狂的に酔いしれた。正力松太郎は語った。「日本人に誇りと勇気を取り戻してくれた」。力道山は語る。「わしがプロレスに命を賭けたのは、…眠れる日本人の大和魂を