「澄んだ目の記者」を目標に(足利事件の報道)(1/4) 足利事件で服役していた菅家利和さんが、逮捕・勾留以来17年半ぶりに釈放された。各紙は一面トップで報道、社会面ではやはりトップ扱いで「無実 人生返して」「捜査間違った、ではすまぬ」(6月5日、朝日)などと記者会見での菅家さんの言葉を引き警察、検察を批判した。 では逮捕当時、新聞はどう伝えたか。もとより全紙を調べる余裕はないので、私が属していた朝日新聞を例にとって点検してみる。経験則で言えば、おそらく他紙も大同小異ではあるまいか。 保育園児がパチンコ店駐車場から連れ出されて絞殺されたのは1990年5月。犯人の手がかりはまったく無く、 <休日返上で懸命の捜査 情報求め120人態勢>(5月21日、栃木版) <「威信にかけ犯人逮捕を」 足利で県警本部長>(同30日、栃木版) <遺体発見現場を視察 幼女殺害で警察庁刑事局長>(7