地球温暖化や開発による生息地の破壊で、今世紀末には地上にすむ鳥の30%が絶滅する可能性が高いとの解析結果を、米スタンフォード大とデューク大の研究チームが18日までにまとめた。 温暖化が鳥類の生息に及ぼす影響に関する初の詳細なコンピューターシミュレーション。気温が高いほど、同じ1度の上昇でも絶滅する種の数が多くなることも判明。 グループは「鳥類の絶滅は連鎖的に大きな生態系の変化をもたらす。温室効果ガスの排出削減を進め、温度上昇をできる限り低く抑える努力が必要だ」と指摘した。 絶滅種には、日本のライチョウなど高山帯に生息する鳥や、熱帯周辺にすみ大きなくちばしが特徴のオオハシ、ハチドリの仲間といった観光客らに人気の鳥も含まれているという。 グループは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の温暖化予測や、開発など人間活動による生態系の変化に関する国連研究チームの予測など、さまざまなシナリオに基
絶滅が危惧(きぐ)される純粋種の野生メダカが、東京都杉並区の須田孫七さん(76)宅の庭池で発見されたと、同区が25日発表した。60年以上も繁殖を続けてきたというメダカ。秘訣(ひけつ)は“放任主義”。「メダカの種の保護のため、動物園などに提供し、日本の宝として大事に守っていきたい」と話している。 発見されたのは、東日本I型というDNAを持つ野生メダカで、かつては水田などに広く分布していたが、環境の変化で姿を消したとされていた。 戦争中、12〜13歳だった須田さんが、防火用水のボウフラを退治するため、自宅近くの水田で捕まえたのがきっかけ。家の庭には広さ1畳程度の池が12、13個あり、そのうちの2、3の池でメダカを飼い始めたという。 小学生のときに理科の担任の先生の影響で生物好きになった須田さん。その時、メダカの飼育方法も教わった。「できるだけ自然のままに。田んぼにいるような状態に」。たまにえさ
暗く閉ざされた洞窟にうごめく生き物たち。「真洞窟性動物」と呼ばれる彼らは、生き埋めさながらの環境に適応し、闇の中で生まれて、生きて、死んでいく。 ヤスデ、クモ、盲目のサンショウウオ、目をもたない魚たち――さまざまな生物種が、永遠の闇とぎりぎりの餌、有毒ガス、果てしない岩の迷宮といった過酷な状況のもとで、動きまわり、伴侶を見つけ、獲物を狩る能力を身につけて、たくましく生きている。 隔絶された洞窟でそれぞれ独自の進化を遂げ、外へ出ることもままならないために、単一の洞窟や、さらにはその一画に、ごく少数しか生息していない希少な種も珍しくない。洞窟の生物たちは、謎に満ちた存在だ。 世界の洞窟のおよそ9割は、入り口が分かりづらいせいで未発見だと考えられている。たとえ調査ずみの洞窟でも、身を潜めるのが得意な洞窟生物たちを見つけるのは容易でない。これまでに約7700種が確認されているが、この数字は氷山の一
第21回 人との共生が難しく年間17万頭殺されるシカ シカ肉加工の自治体も 文/井上 雅義(環境ジャーナリスト) 2007年9月21日 年間17万頭─。これは1年間に駆除されるシカの数だ。日本列島では今、シカが爆発的に増え、農作物や森林に甚大な被害を及ぼしている。シカの正確な頭数はわからないが、最も多い北海道には約40万頭生息し、2004年度の農作物被害は北海道の28億円をはじめ全国で40億円にも上った。 今では厄介なシカも、明治期から戦後にかけての乱獲で絶滅の危機に瀕した。そこで鳥獣保護法により1947年に雌ジカの狩猟が禁止された。しかし70~80年代の開発に伴う森林伐採で、跡地の草原がシカの格好の餌場となり、暖冬による積雪量の減少が越冬を助け、数を増やしていった。 増えたシカは森林の幼木や樹皮、下草を食べ、荒らされた斜面は土砂崩れを引き起こした。北海道ではエゾジカと列車の衝突事故
極北の5月の午後、私は海氷の割れ目からゆっくりと滑り落ちるようにして、水中へ入っていった。ゴム製のフードでくるまれた頭と顔が、しびれるような冷水にさらされ、吐き気をもよおす。 ここはカナダの北極圏、ランカスター海峡のすぐ南の海。水温はマイナス1.6℃と、海水が凍らないぎりぎりの水準である。 私は吐き気をこらえようと、酸素ボンベのマウスピースをぐっとかみしめた。やがて冷たさに慣れてきて、深みへ潜り始めたとき、ふと何かがおかしいことに気がついた。季節が変わったばかりのこの時期、いつもなら海はひたすら青く、単調で、生き物の気配はない。ところが頭上の氷を見上げると、なぜか緑と茶色の筋が見える。しかも動いているのだ。 私は目を疑い、深度をチェックした。めまいを起こしているのなら、厚さ1mの氷の下を単独で潜るダイバーにとって命にかかわる一大事。だが、私はめまいを起こしていたわけではなかった。小さなエビ
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