直感に関わる小脳に焦点 理研脳科学総合研究センター特別顧問の伊藤正男博士が提唱する小脳仮説を検証することがプロジェクトの1つの目的だ。一般的に小脳は運動に関係する情報処理を行うとされているが、伊藤博士は思考のプロセスが本人に意識されない「直感」や「ひらめき」は小脳が行っていると考えている。 「直感というのは、見てパッと分かるということです。ひらめきというのは、分からない、分からないと考えていて、何日も経ってからパッと分かるということです。ひらめきが起こるのは、意識しているときもあるし、忘れているときもある。直感もひらめきも共通の仕組みであり、人間の脳に特有のプロセス」(伊藤博士)。 こうした無意識の思考が起こるのは、大脳で繰り返し繰り返し考えた観念や概念が、小脳のなかに「内部モデル」として転写されるように形成されるからだという。こうした小脳の働きは「運動については、かなりの証拠があがってい