3月2日と4日に、サラ・ロイさんの講演および対談の企画がUTCPでもたれた。 ロイさんは、イスラエルによるパレスチナの占領体制を、とりわけガザ地区問題に焦点を当てて、政策的低開発の問題から、つまり政治経済学の観点から研究をしている一方で、同時に彼女は、第二次大戦中のホロコーストの生き残りを両親にもつユダヤ人として、そのルーツを自覚的に背負っている。すなわち、ホロコーストがあったからイスラエルというユダヤ人国家が必要なのだという政治神話に開き直ることなく、むしろ徹底して自らの背景と立場を反省的に見つめながらパレスチナ問題に向き合っている。倫理主義にも経済主義にも偏ることなく、その両方の視点から占領の問題を批判的に分析しつづけており、新植民地主義とも言うべき現代世界におけるひとつのあるべき姿勢を示していると言える。 2日の講演"Learning from the Holocaust and P
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